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出版社内容情報
河童、死神、タヌキなどの愛らしいキャラクターたちがいっぱい! 賑やかな山里の暮らしが描かれる『ぼくら』版カッパの三平をはじめ、シリーズの後日譚やスピンオフ作品も一挙収録。『小学一年生』版カッパの三平は豪華フルカラー!
『水木しげる漫画大全集』055(1966-2013)、第1期第10回配本。
目次
★収録作品
「『ぼくら版』 カッパの三平」「河童の三平 山物語 夢のハム工場」「『小学一年生版』 カッパの三平」「河童の三平 家の神」
★資料編
★解説「水木しげる先生よりいただいた言葉」矢口高雄(漫画家)
★初出一覧
★付録「茂鐵新報」通巻1-21号
・今日の一言「空気だけでいい」(水木しげる)
・水木しげるインタビュー「『河童の三平』の発想の真実」
(ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
23
「ぼくら」に連載された『カッパの三平』。ストーリーは、貸本版をそのまま踏襲している。しかし、貸本版にはあった暗さが、きれいに払拭されているのが特徴だ。特に、貸本版で始終漂っていた死の気配が「ぼくら」版からは消し去られている。「ぼくら」という雑誌の読者層に配慮した結果なのだろう。このカラリとした軽さは、ひとつの読みどころではあるが、貸本版の存在を知ったあとに読むと、どうにも物足りなさを憶える。2014/03/17
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
21
『小学一年生』版は既読なので、『ぼくら』版と『夢のハム工場』『家の神』のみ読む。水木しげるの絵は、『ぼくら』版のこの頃が一番好きだ。年少者向けにしたものなので、元版にある家族の死のシーンはほとんど無い。おじいさんもお父さんもいつの間にか亡くなる。会話の妙も乏しい。元版のダイジェストに妖怪を足した感じだ。三平とカッパとタヌキのわりと楽しい世界である。これはこれで悪くない。いつ見てもカッパの父さんがかわいい。2014/05/08
∃.狂茶党
6
『ぼくら』『もうすぐ小学一年生・小学一年生』『少年キャプテン』『月刊!スピリッツ』など、時代も版元もさまざまな、再話版などを収める。 貸本版の濃厚な死の匂いは薄れてはいるが、『ぼくら』版には、児童漫画には異様なほど死の匂いが漂っている。 私はほとんど読まなかったけど、児童文学は、もともと死を孕んでいるのかもしれない。 石森漫画の喪失感とは別の死。 話を重ねるごとに、多幸感のようなものが出てくる。水木は、『河童の三平』がお気に入りであったっぽい。実に楽しげ。 後々描かれた作品ほど、暴力も少なくなっている。2022/12/25
アヤネ
5
「ぼくら」と「小学1年生」掲載作品。。。河童、死神、一寸法師、たぬきたちとの共同生活が微笑ましい。妖怪たちが愛らしい。特に死神。ちなみに、なぜ河童が泳ぎが上手いのかこの作品で知った(笑)。2014/08/13
大臣ぐサン
3
大先生の代表作の一つ『河童の三平』。ここに収録されているのは貸本版『河童の三平』をリライトしたぼくら版『カッパの三平』と小学一年生版『カッパの三平』、さらに2013年に描かれた新作まで収録されている。貸本版のリライトだが、貸本版に漂う孤独感、死のイメージが失われ、牧歌的な雰囲気が魅力となっている。各バージョンを見比べてみるのも面白い。次はサンデー版か。2014/03/04