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出版社内容情報
上等な朱色の布地を服に仕立ててほしいと頼まれた、洋裁店店主の南市江。しかし持ち主が誰かわからない。着る人を知らずに仕立てたことのない市江は、なんとかイメージを捉えようとするが……。生涯寄り添える服作りに生きる女性と、服と、お客様の物語、第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
78
1巻の感想で竹久夢二の絵みたいなと書いたけど、この目元を見ているとマリー・ローランサンのほうが近いな、などと思う。やさしい雰囲気はあるものの、表情は決して豊かではない。なのに会話が身にしみてきたりする。心に残るセリフがいっぱいだ。また、市江の素っ気無さには手先の器用さに反した不器用さも少し感じ、そこが魅力のように思えてきた。相変わらず静かな流れの中、いろんな登場人物達の想いがめぐり、じっくりとした読み応え。中でも特にテーラーの橋本さんと、留学を控えた若きデザイナーとの、市江とのそれぞれの対比が面白かった。2013/07/25
masa@レビューお休み中
75
洋服は購入して終わりではない。手にして、袖を通した瞬間から、洋服の物語は続くものである。いや、もしかした作り手である市江が布を手にした瞬間から、すでに物語は作られているのかもしれない。鮮やかで上品な朱色の着物は、息子の願いを叶えるべく布地を裁たれる。店主・市江の手によって、母の新たな洋服へと仕立てられる。それは、世界でたったひとつだけの洋服である。しかも、たった一人のために作られたものだ。その想いは、何物にも代えることはできない。その喜びも、例えることなどできやしない。最上であり無上の喜びに違いない。2012/10/20
くりり
52
藤井との距離がかなり近くなった。洋裁教室の件とか、はさみをそっと渡すとか、素直にありがとうとか...2015/03/05
はつばあば
45
仕立ては一から。直しはその部分だけ。それでも自分で直すより直して頂いた方がキリっと締まる。オーダーメイド、高い買い物だから余計に断れない気もするのだが・・。着物、タンスの肥やしにしているのを服に仕立て直してもらえるなら・・・しぼりで何ができるのだろう2018/06/14
どあら
32
妹から借りて読了。久し振りにゆったりした気分でお茶を飲みながら読めた本です。2022/01/22
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