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出版社内容情報
祖母の志を受け継いで、その人だけの服、一生添い遂げられる洋服を作り続ける。そんな南洋裁店の店主・市江と、彼女の服を愛してやまない百貨店企画部の藤井。微妙な距離感を保ちながら関わる二人と、服にまつわる人々の思いを描き出す、優しい優しい物語です。
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- 評価
ごんどら亭の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
105
丁寧に思い、粛々と縫い、少しずつ距離を詰める。働くのは人のためか自分のためか。分けられないその間を、糸が繋いでいく。暖かな作品。2019/08/01
匠
88
オーダーメイドの服を仕立てる、ちょっと職人気質な女性が主人公、って言うのが新鮮だった。竹久夢二の絵に出てきそうな線の細さやか弱さを感じる外見とは裏腹に、芯もプライドも強くて媚びていない凛とした姿勢に、ちょっと頑なすぎるんじゃとも思う部分はあったものの、読み進めていくと彼女の良さがわかってくる。ただ、絵もストーリーも輝きや起伏を極力抑えた静けさがあるので、何度も眠くなってしまった。まだ1巻目しか読んでいないので、この先どういう展開になるかによって変わってくるとは思うけれど、もう少し感動したいのが本音。2013/07/24
masa@レビューお休み中
85
ひとつひとつ真心をこめて、布を裁ち繕う。どんなに美しくて、どんなに煌びやかな洋服であっても、誰かに作られた洋服は弱い。洋服は美しかったとしても、私を最高に彩る洋服とは限らない。私を最高にキレイにしてくれるのは、私のために作られた洋服だけだ。世界でたったひとつのドレス、スーツ、死に装束…それはその人だけの最高の装いである。オーダーメイドの洋服は伴侶のように人生を寄り添ってくれる。年を経ても繕いながら着続けることができる。そんな洋服があることで、毎日が楽しくなるのかもしれない。人生の彩りになるのかもしれない。2012/10/19
佳音
76
ほっこりします。素敵なお話。だけど、個人的にくすりと笑ってしまう。あまりにも似ていて。口が悪い。究極のニヒリスト。でも、優しくて優秀。主人公・市江さんとなにからなにまでそっくりな私の友だち。違うところは、服ではなく、人の体をなおすとこ。2016/09/28
☆ゆう☆
76
雰囲気を読む漫画。音を感じさせないほどに静かで穏やかな情景が浮かんでくる。市江さんと藤井さんの距離感もまた然り。一方で、服への愛情だったり、お客様への想いはすーっと心に響く。とても優しく柔らかい物語でもあった。短編構成になっているが、一話一話とても丁寧に紡ぎ出されている印象を受けた。今日、既製の服ばかりが並び、さらにはファストファッションが好まれる時代なだけに、この作品を通して、また、映画化もされるとのことなので、服を仕立てる魅力というものが改めて世に広まってくれたらいいなと思う。(iBooks)2015/01/29