出版社内容情報
”殺人犯の弟”という大きな十字架を背負って生まれてきた裕二。
人との絆を結ぶことのできない彼も、心に愛を灯す存在と出会い、
一歩ずつ幸福へと歩みだした。
しかし、幼き日に姿を消した兄との愛しい記憶が、彼を縛りつづける……。
殺人を犯したかつての少年と、その弟の運命の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
十六夜(いざよい)
12
”殺人犯の弟”という大きな十字架を背負って生まれてきた裕二。人との絆を結ぶことのできない彼も、心に愛を灯す存在と出会い、一歩ずつ幸福へと歩みだした。しかし、幼き日に姿を消した兄との愛しい記憶が、彼を縛りつづける…。実際にはどの程度かわからないが、やはり加害者の家族を特定し、所在を面白おかしく晒してしまう輩もいるのだろう。家族が罪を犯したわけではないのに。東野圭吾さんの「手紙」も、似たような話だったなぁ。2021/06/15
Ikue
5
理解してくれる人がいるということは、とても幸せなことだと思います。前巻と比べると、人のあたたかさがより一層感じられる作品でした。最終的に、兄はどこかへいってしまいましたが、それが逆に希望を感じさせてくれました。自分の犯した罪におびえながら、それでも約束を守るために生きていかなければならない兄が、どこかで幸せになっていてほしいと思います。2014/05/05
プーさんママ
4
以前ドラマでアイシテルー海容ーを見た時、あまりの内容に衝撃を受けた。秋に続編が放送されると知って原作を読んでみた。やっぱり重い、苦しい、悲しい…。一生救われることはないのかな?せめてドラマの方は少しでも救いのある内容になっていたらいいなと思う。2011/08/16
わにこ
4
なんとも後味の悪い終わり方だった。弟は救われたが、兄はまだ贖罪の為だけに生きねばならないのか。少なくとも、被害者の母が望んだのはそんな生き方ではなかったろうに…。加害者の母も、そして加害者自身も、また選択を過ったとしか思えず、あまりの重さに読んだことを後悔してしまった。2011/07/18
ゆん
3
ようやく苦しまずに生きていけると思ってた矢先のお兄さんとの再会。でもこの出会いは必要だったんだろうな。ようやく家族と幸せに暮らせるよね、裕二。切ない話だった。2017/11/05