出版社内容情報
手塚良庵(てづか・りょうあん)は、江戸の種痘所設立に向け、努力している父・良仙(りょうせん)を手伝うべく適塾を去り江戸へもどった。病気の将軍・家定(いえさだ)に会いたいというハリスの申し出に幕府は混乱していたが、一方家定の後継ぎをめぐり、幕府内では激しく対立していた。また、老中・堀田(ほった)は朝廷からの条約調印の勅許を得られなかったため、権力の座は井伊(いい)へ移ってしまった。そして、そのあおりを受けて、伊武谷万二郎(いぶや・まんじろう)はハリスの警護役を解任されてしまう!! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT330~331『陽だまりの樹』第5~6巻収録 <初出掲載>1981年4月25日号~1986年12月25日号 ビッグコミック連載
【著者紹介】
1928年、大阪府豊中市に生まれ、兵庫県宝塚市で育つ。大阪大学付属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。1946年、「マアチャンの日記帳」で漫画家デビュー。1962年には『ある街角の物語』でアニメーション作家としてもデビューする。おもな作品に、漫画では 『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』その他多数、アニメーションでは『展覧会の絵』『ジャンピング』その他多数あり、全400巻の『手塚治虫漫画全集』(講談社)も刊行された。宝塚市には手塚治虫記念館がある。1989年に死去。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
剛腕伝説
14
予約していた3巻がやっと手元に。漢方医と蘭方医のせめぎあい。コレラの猛威。母の死、種痘所の認可、そして家定の死。時代は大きく動く。2022/07/20
ホームズ
11
エネルギーに溢れているな~。開国に向けての将軍謁見やコロリの流行など本当に引き込まれていく。西郷隆盛も登場してきて徐々に歴史上の人物たちがでそろってきた感じなのかな~。2012/08/18
rakukko
3
読んだ事ない手塚漫画を読むという行為が実に10年以上ぶり、他にも名作を逃しまくってる自分が情けないがとにかくこの作品は非常に面白い。音を立てて大きく動き出す時代とその中で東奔西走する主人公2人の個人の足掻きが見事に描かれており歴史漫画として楽しめるし主人公に感情移入してストーリー漫画としても続きが非常に気になる、と歴史もの素人としては思いました。2014/07/21
Miss.W.Shadow
3
安藤広重はコロリ(コレラ)で死んだ・江戸安政のコレラ治療は蘭方医により大量の食塩水を飲ませていた・東大医学部はさかのぼればお玉ヶ池種痘所だったなどの史実を交えながらも、あくまでキャラクターの特徴が際立つ。伊武谷万二郎に付き従う下郎の平助やオンナ好きの手塚良庵が迎えた医師の仕事に無理解な女・つねと、脇役までとても面白い。自分の先祖の未だ見ぬ人生を壮大な物語に仕立てあげる能力は素晴らしいなと思った 2012/07/21
santana01
2
いよいよ物語も時代とともに大きく動いてきた感がある。ハリスの将軍謁見、紀州慶福の将軍擁立を画策する井伊直弼の台頭、人身を不安に陥れるコレラの流行と全体的描写にもスピード感が出てきた。それに呼応するかのように歴史の一方では蘭方医が着々と認められつつあった。胎動などという生易しい表現は不謹慎に思えるが、産みの苦しみともいえる時代のうねりの中で翻弄されながらも、万二郎と良庵の二人が幕末という時代とどう向き合うのか次巻以降が楽しみになってきた。2014/01/21
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