出版社内容情報
毒ガス「MW(ムウ)」を巡る、人間同士の醜い争い、陰謀。そしてやりきれない結末……。「MW」にほんろうされた結城(ゆうき)と賀来(がらい)の運命は果たして!? 手塚治虫がいままでのカラーを打ち破り、「ありとあらゆる悪」を描こうと挑戦をした異色作の完結編。ほかに『火の山』『ペーター・キュルテンの記録』『もの憂げな夜』『ラインの館にて』などの短編も併録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『MW』(手塚治虫漫画全集MT303『MW』第3巻収録)/『火の山』(手塚治虫漫画全集MT265『火の山』収録)/『ペーター・キュルテンの記録』(手塚治虫漫画全集MT265『火の山』収録)/『もの憂げな夜』(手塚治虫漫画全集MT265『火の山』収録)/『ラインの館にて』(手塚治虫漫画全集MT265『火の山』収録) <初出掲載>『MW』1976年9月10日号~1978年1月25日号 ビッグコミック連載/『火の山』1979年4月20日発行 ビッグゴールド 2号掲載/『ペーター・キュルテンの記録』1973年1月10日増刊号 漫画サンデー掲載/『もの憂げな夜』1973年5月13日号~5月20日号 サンデー毎日連載/『ラインの館にて』1972年5月20日号~5月27日号 女性自身連載
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
7
賀来に少しイライラしてしまったけど全体には良かったかな~。後半ちょっとバタバタしてきた感じはありましたが。しかし色んな内容が詰まっていてちょっと疲れました。2011/12/16
KAZUNARI
6
生誕90周年という事で読み漁ります!これは実に刺激的な1作!性をこえて、さらには殺人、テロ・・・対策するにも無能政治・・・イメージを覆す、狂気に満ちたストーリーになってるけど、まだ描き足りないところがあるというから驚きだ。 併録の短編「火の山」は火山を守る事に命を懸けた人物のスケールの大きさに魅了され、「ペーター・キュルテンの記録」では、意外な殺人犯の異常性に戦慄し、「物憂げな夜」金でアジア人の女を買う男。その歳をとらない女の正体にちょっとゾッとする仕掛け。「ラインの館にて」これはミステリーらしい1本。2018/10/28
ネタバレ:トキメキのあまり展開してしまう存在しない記憶たち
3
悪徳、悪だった。最後の方の手仕舞い感は少し残念だけども、かなり密度の高い話だったな。やはり神よ2018/05/29
PukaPuka
3
ムウ2巻。む、う、、、。作者が描ききれなかったと書いている通り、消化不良のまま終わった感じもあるが、このテーマはどうやっても描ききれないと思う。人間も社会も闇をいくら暴こうとしても、必ず闇はすべて明かされる前に逃げてしまう……。他の収録作品4編も重い。2017/04/29
るう
3
他収録に「火の山」「ペーター・キュルテンの記録」「もの憂げな夜」「ラインの館にて」がある。どの短編も、暗く、考えさせられる内容。手塚治虫のもう一面が全開の一冊だった。掲載雑誌ごとに絵柄が変えてあるのも面白い。2012/03/21