出版社内容情報
年老いてまでも人々に教えを説き続けたブッダだったが、その教えは真に伝わらず、人々は権力や富に固執し、そして争いをやめることはなかった……。しかし、そんな中でブッダは「人間の心の中にこそ神が宿っている」という大いなる悟りを開き、その教えを語りながら静かに涅槃に入っていった――。手塚治虫が長年にわたり釈迦の一生を壮大に描いた物語『ブッダ』。ついにここに完結す! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT299~300『ブッダ』第13~14巻収録 <初出掲載>1972年9月号~1978年7月号 希望の友/1978年8月号~1979年12月号 少年ワールド/1980年7月号~1983年12月号 コミックトム連載
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
69
ブッダの生まれてから亡くなるまでのお話、その⑦シャカ族の滅亡など様々な苦悩に襲われ、そして自らの老いを感じながらも多くの人を救う旅に出たブッダ。ルリ王子やアジャセ王子のそれぞれの父王との関係、タッタやダイバダッタの最期など、本当にたくさんの人たちの人生が交錯し合いブッダの死をもって迎えるこの物語のクライマックス。今も彼は精気となってこの世の何かとなって生き続けているのかな。2016/04/14
yomineko@猫と共に生きる
57
このブッダシリーズを読了。様々な奇跡は手塚氏のフィクションもあるが、これはイエス・キリストの奇跡に通じるものもあり、とてもうまく読者をひきつけていると思う。死を間近にしても焦らず、怖がらず、自然に任せるという考えに今の延命治療等を考えさせるものがあった。紀元前483年に障害を閉じたと言われているのに、に今もブッダの教えはアジアを中心に引き継がれる。それほど人々の心を惹きつけて止まないのであろう。2021/12/30
KAZUNARI
9
人が生きる事、死ぬ事、身分の差、見かけの違い、争い事・・この大きな世界の中で、そんな事を考え、こだわる事がちっぽけに思える。すべては自然のまま、あるがまま、ブッダのように自然や動物たちと心通わせるように生きていく。動物たちとのシーンは胸熱くなり、そんな触れ合いを人間の中でもありたい。波乱多いドラマの中で悪い奴、いい奴、実にたくさんのキャラクターが出てきましたが、皆、かけがえのない人間であり、生まれてきた意味があるもの。自分だけでなく、他者の事も考え生きていく事。そこから真の神が生まれる。2018/11/30
ホームズ
9
いよいよ最終巻。苦悩するブッダの姿。ルリ王子の物語。シャカ族の滅亡。ダッタの死。ビンビサーラ王とアジャンセ王子の物語、もしアサッジが予言を伝えなかったらこの2人の運命は違っていたんだろうな~。本当に最後まで凄いエネルギーに満ちた作品でした(笑)ちょっとしばらく寝れなかった(笑)2011/06/15
呉藍
5
小学生だった私が夜うなされる訳だ……(笑 あらゆる欲望とそれを押し流そうとする力、言葉と想像力、せめぎ合いと、生まれてくる命、死んでいく命、うさんくさい運命。まるで渦を巻くように、ぐーるぐーる回っている。ちょっと気持ち悪くなるほどだ。ブッダの死にいっそ安堵してしまった……。2012/06/11