感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すぱちゃん
7
実話。結婚を間近に控えていた沼田鈴子は広島で原爆にあい、左脚を失う。婚約者も南方で戦死してしまった。生きる希望を失う鈴子。しかし、被爆した青桐が芽吹くのを見て生きる希望を取り戻し退職後語り部としての人生を歩み始める。「ヒロシマの証言者」。山本幡男は戦争終結後もシベリアに抑留され続けた。生きて帰国し家族と再会することを夢見、他の捕虜達に俳句を教えて希望を与えていたが、癌に侵され死の間近、家族宛に長い遺書を書く。しかし遺書は持ち帰ることができないため仲間達は分担して暗記して家族に届けた。「収容所から来た遺書」2020/01/09
更紗蝦
7
原爆で片足を失った語り部の女性の話と、俳句を心の支えにしたシベリア抑留者の話の2話が収録されています。前者の話を読んでいる間、高校の修学旅行で広島に行った時にお会いした語り部の方々のことをずっと思い出していました。後者の話は、「言葉の持つ力」と、「言葉を伝えようとする人間の意思の力」について考えさせられます。2014/08/18