出版社内容情報
珠玉の昭和文学23篇を、滝田ゆうが漫画化!
戦後の小説界を代表する文人たちの作品を”原作”とし、滝田ゆうがこだわりの”漫画作法”で次々とアレンジ。
ほろ苦い昭和文学の哀歓がそこはかとなく漂う名シリーズがついに登場!
「名作劇場」シリーズ全22本に加え、野坂昭如原作「怨歌劇場」シリーズより幻の
単行本未収録作品『骨餓身峠死人葛』を特別収録!!
収録作品:
安岡章太郎『質屋の女房』
丸谷才一『だらだら坂』
木山捷平『苦いお茶』
井上ひさし『あくる朝の蝉』
吉行淳之介『深夜の散歩』
宮原昭夫『小舟の上で』
三浦哲郎『がたくり馬車』
丸山健二『雁風呂』
永井龍男『名刺』
遠藤周作『四十歳の男』
山口瞳『声』
伊藤桂一『朧夜』
藤原審爾『タワリシチ・アコーシャ』
畑山博『こま』
野呂邦暢『ロバート』
吉村昭『身延線』
藤沢周平『意気地なし』
山川方夫『夏の葬列』
柴田錬三郎『善魔の窖』
黒井千次『首にまく布』
高井有一『祭の火』
富士正晴『南雄の美女』
「怨歌劇場」シリーズより野坂昭如『骨餓身峠死人葛』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マツユキ
10
中学の教科書で読んだ山川方夫さんの『夏の葬列』の漫画が載っていると知り、読んでみました。戦後を代表する作家23人の小説を漫画化。ほとんどが読んだことがない作家さんだし、漫画の表現の分かりづらい部分がありましたが、時代の暗さを感じつつ、良い意味で、この人何を考えているんだろうと、登場人物に興味が湧きました。原作も読みたい。2020/11/06
kinupon
10
これぞ滝田ゆうワールド。なぜかもの悲しい・うら寂しさの中に温かさがあります。2014/03/18
みや
9
安岡章太郎、吉行淳之介、遠藤周作といった戦後を代表する作家たちの作品群を漫画化した23篇。すでに小説として完成している世界観を漫画で表現する困難さは推して知るべしだが、結局、どれも原作が優れているので、小説の既読・未読にかかわらず楽しめた。何より、戦後から昭和40年代までの小説に描かれる人々の熱量と、それに同居する侘しさが愛おしい。2024/03/10
蘇芳
2
小説を漫画化させるとき、どちらかの個性が削られるものなんだけどそんな気がまったくしないくらい調和してた。むしろ夏の葬列のようなアンニュイな暗い話が多かったので、漫画のほんわかさがプラスになって読んでて少しほっとした。2012/10/13
えぽけー
1
『夏の葬列』のシチュエーションは怖すぎるし、辛すぎる…