出版社内容情報
小説の主人公に自分を重ね、図書館で借りた本を読みふける少女。名作「チボー家の人々」を題材に採った表題作のほか、3編を収録。会社の片隅で繰り広げられる、恋か?セクハラか?本人たちにもわからない小さな騒動「マヨネーズ」、ボランティアが派遣先で起こすスリリングなすれ違い「二の二の六」など、バラエティー豊かに人生の真実と上澄みをすくい取る、たぐいまれなる作品集。ユーモアとクールな距離感が織りなす絶妙なバランス、名手による4編の物語をお楽しみください。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
104
いただいたご本を読みました♪ 昨年読んだ『ドミトリーともきんす』が面白くって 一遍でファンになっちゃった高野文子さんの漫画です。この人のお話は、モダンで柔和な絵と ユーモラスで飄々とした描写が、静かに楽しくて良いですね。■この本は4つのお話が収録されてる短編集。書を読み もの思う高校生が主人公の表題作が1番好きでした。半世紀くらい前?の日本の、女の子の置かれた状況と 淡々と流れる日常、そしてジャック・チボーという名の友人。トーチャンの言葉が沁みました。■(2002年)(初出 1999年~2001年)2017/01/30
syaori
68
表題作は女子校生の主人公が夢中で『チボー家』を読む日々を描いたもの。ジャックに共感し、彼の心情や思想を掴もうと物語に浸るようにしながら本を読む彼女の姿には共感ばかり。物語は、これから社会に出てゆく彼女の不安や長女としての不満を彼女のジャックへの傾倒に昇華していて、彼の物語が終わったところで、就職や家族といった彼女の問題も一区切りしているのが見事だなと思います。また最後の「いつでも来てくれたまえ」という傍白は、そんなふうに読んだ本の経験と思い出は永遠なのだと言われているようで、何度読んでも胸が熱くなります。2021/03/02
鱒子
68
すごい漫画でした。実は初めは全く理解できませんでした。モチーフが未読の小説「チボー家の人々」、馴染みのない方言、説明の少ない人物関係、突然現れる主人公の妄想etc。初読の時は、上っ面をツラツラと読むだけで終わってしまいました。もう一度読み返す前に予備知識をと思い、Webで「チボー家」について調べてみました。再読してみるといろんなことが腑におち、心を揺さぶられました。この漫画はまさに文学!!だと思います。2020/02/02
コットン
68
『黄色い本』は『チボー家の人々』を題材に青春の一時期、本の世界にのめり込んでいく姿が愛らしく描かれていて素敵な作品でした。2015/01/11
bluemint
60
一昔前の、田舎の生活や学校の様子、子供の動きなど細かい描写に感心した。チボー家の話はピンと来なかった。今更革命や社会主義の話をされてもね。よく見ると構図やコマの運びなども凝りに凝っている。ストーリーがどうのというより、全体として雰囲気というか時代性や空気感を強く感じた。父さんが豊かな生活でもないのに、本はいっぱい読め、好きな本を手元に置いておくのも良い、と言ったのは今に繋がる文化の厚みを作る当時の勤勉な日本人の心情をよく表していると思う。あー面白かった、で閉じてしまうより折に触れて読み返したい本だった。2019/03/02




