出版社内容情報
皆既月食が二人を消した!?
陶芸家が遺した不思議な館で見つかった遺体。
二重殺人もしくは奇蹟か?
奇蹟審問官アーサーが「月と館」の謎に挑む!
「奇蹟」の真偽を判定する奇蹟審問官アーサー・クレメンスは、
世界を放浪した陶芸家・萬生こと故・五十幡典膳の館を弟の甲斐と訪れた。
翌朝、皆既月食を「月宮殿」で観測していた萬生の長男・昭が遺体で見つかり、
館に招かれた一人も「万物ギャラリー」にて刺殺体で発見される。
推理の果てに浮かび上がるのは、館の秘密の仕掛けか、神の遊戯か?
アーサーの眼前に広がるのは……!?
内容説明
「奇蹟」の真偽を判定する奇蹟審問官アーサー・クレメンスは、世界を放浪した陶芸家・萬生こと故・五十幡典膳の館を弟の甲斐と訪れた。翌朝、皆既月食を「月宮殿」で観測していた萬生の長男・昭が遺体で見つかり、館に招かれた一人も「万物ギャラリー」にて刺殺体で発見される。推理の果てに浮かび上がるのは、館の秘密の仕掛けか、神の遊戯か?アーサーの眼前に広がるのは…!?
著者等紹介
柄刀一[ツカトウハジメ]
1959年、北海道生まれ。公募アンソロジー「本格推理」への参加を経て、98年、『3000年の密室』で有栖川有栖氏のエールを受けてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つたもみじ
32
『サタンの僧院』を含めてシリーズ四作目。久しぶりにアーサー様にお会いできました。このシリーズは奇蹟を絡めた不可能犯罪を扱ったものが多いのだけれど、今回は普通のトリックミステリ。宗教議論的色合いも少ないです。奇蹟の真意を判定する、ヴァチカンの奇蹟審問官アーサー・クレメンスは、列福式のコーディネイトの為に来日し、異母弟・甲斐と共に陶芸家・萬生こと故・五十幡典膳の館を訪れていた。皆既月食の夜が明け、「月宮殿」では萬生の長男・昭の遺体。「万物ギャラリー」でも刺殺体が発見される。如何にして二人は殺されたのか…。2018/01/11
geshi
31
奇蹟にまつわる不可能犯罪を期待していたけれど、端正なロジックをメインにしたミステリだった。美術論や神学や罪の話が繰り広げられる前半が読んでいて「そんな事はいいから早く殺人起こせ!」と言いたくなるゆったりテンポ。三人称視点と一人称的心の声がシームレスで書かれている文章が妙に読み進めにくい印象だった。フーダニットの厳正な論理がまさしく隙なく詰められているのは流石だし、犯人が死体を損壊した理由が反転する理屈の付け方には成程と唸らされた。中編として書かれていればもっと評価できたと思う。2018/01/23
ぽろん
27
奇蹟審問官という言葉に引かれ、新刊コーナーからお持ち帰り。シリーズものだったのかな。ちょっと小難しい文章に馴染めず、読み終わる迄時間がかかってしまった。期待していた奇蹟の審問に関わる事件はなく、奇蹟審問官アーサーが日本に帰国して遭遇した殺人事件を推理する。残念ながら、物語に入り込めないまま、読了。2018/01/03
悪者みきこ
6
母さんが?の続きは?? 交通事故は難しい。2018/06/24
みいやん
6
久しぶりの柄刀作品で十年ぶりぐらいの奇蹟審問官シリーズ。舞台が日本のせいか、宗教色も蘊蓄以外はなく、ちょっと物足りなさを感じたコテコテミステリー。甲斐の母の件が中途半端なので近々また続編が出るのかな。2018/06/04