講談社文芸文庫Wide
草のつるぎ 一滴の夏―野呂邦暢作品集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784062955003
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

硬質な透明感と静謐さの漂う筆致で青春の焦燥を描き、42歳で急逝した野呂邦暢の、初期短篇を含む5篇を集成。

「言葉の風景画家」と称される著者が、硬質な透明感と静謐さの漂う筆致で描く青春の焦燥。生の実感を求め自衛隊に入隊した青年の、大地と草と照りつける太陽に溶け合う訓練の日々を淡々と綴った芥川賞受賞作「草のつるぎ」、除隊後ふるさとに帰り、友人と過ごすやるせない日常を追う「一滴の夏」――長崎・諫早の地に根を下ろし、42歳で急逝した野呂邦暢の、初期短篇を含む5篇を収録。

内容説明

「言葉の風景画家」と称される著者が、硬質な透明感と静謐さの漂う筆致で描く青春の焦燥。生の実感を求め自衛隊に入隊した青年の、大地と草と照りつける太陽に溶け合う訓練の日々を淡々と綴った芥川賞受賞作「草のつるぎ」、除隊後ふるさとに帰り、友人と過ごすやるせない日常を追う「一滴の夏」―長崎・諫早の地に根を下ろし、四十二歳で急逝した野呂邦暢の、初期短篇を含む五篇を収録。

著者等紹介

野呂邦暢[ノロクニノブ]
1937・9・20~1980・5・7。作家。長崎県生まれ。長崎県立諫早高校卒業後、職を転々とし、1957年に佐世保陸上自衛隊入隊。65年、「ある男の故郷」にて第21回文學界新人賞佳作。73年に発表した自らの自衛隊員としての体験を基にした作品「草のつるぎ」で第70回芥川賞受賞。地元諫早市を舞台にした小説・随筆を数多く残したが、心筋梗塞により42歳で急死した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

34
42歳で急逝した野呂邦暢の芥川賞受賞作「草のつるぎ」。まだどなたも感想を書いていないのに驚く。本作は、自衛隊に入隊した日々を描いている。自衛隊の階級など全く知識がないので、文脈から想像した。照りつける太陽に体内の水分を奪われながら草の中を這う。それを「膝と肘で体を支えてのたくる」と表現する。その他にも、景色や人物など作者の優れた描写力に惹き込まれた箇所があった。また、まだ何者とも言えないモラトリアムを鬱々と過ごす苦悩にも、共感した。結論のAを述べる文に続く、違う視点からのB・C・Dの文という構成もうまい。2019/11/20

大粒まろん

21
堅実で健康的な文体かな。情景が浮かぶ草の匂いのする描写の巧さ。自衛隊に入隊後数ヶ月間を描くシンプルな話の中に青年期の自我との葛藤、セクシャリティな志向、郷愁、自立、反抗などなど。内包してるものは多く、文学的には良作だと思う。感想としては、構成に於いて気が合わないなぁと、ハマらなかったのは残念だけれど、好みの問題なので仕方ない笑。地味ながら根強いファンがおられる様なので、また機会があれば読んでみようと思います。2023/09/23

ぼっせぃー

3
モラトリアムって言葉がどんどん嫌いになる。悩んでいる若者が考えそうなこと、くらいのニュアンスに堕しちゃってる部分があるし、安易な言葉選びはモラトリアムという単純な図式に収まらない思考の軌跡を損なうことになりやしないか。 「仕事をすることはやさしい。生きることもやさしい。なぜ、生活はやさしいといわないのか。」2020/05/19

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