出版社内容情報
変わり者研究者三人が目撃した殺人未遂事件。この一件をきっかけに入手した「文献」と「化石」が禁断の扉をあける。栄養科学研究所に配属された千鳥(チドリ)は、言語学研の鳶(トビ)、考古学研の鶫(ツグミ)とともに、研究室で起きた殺人未遂事件を偶然目撃してしまう。
この一件を発端に次々と起こる――書庫の放火、連続通り魔事件に巻き込まれていく千鳥たちは「一冊の文献」と「植物の化石」を手に入れることに。三人は化石をめぐる実験をはじめるが……。
「知」への好奇心が異端にふれ、禁断の扉が今ひらかれる!
第一章 水の魔術
第二章 万能の種
第三章 魔女の呪文書
エピローグ
高里 椎奈[タカサト シイナ]
著・文・その他
内容説明
栄養科学研究所に配属された千鳥は、言語学研の鳶、考古学研の鶇とともに、研究室で起きた殺人未遂事件を偶然目撃してしまう。この一件を発端に次々と起こる―書庫の放火、連続通り魔事件に巻き込まれていく千鳥たちは「一冊の文献」と「植物の化石」を手に入れることに。三人は化石をめぐる実験をはじめるが…。「知」への好奇心が異端にふれ、禁断の扉が今ひらかれる!
著者等紹介
高里椎奈[タカサトシイナ]
1976年生まれ。1999年、『銀の檻を溶かして薬屋探偵妖綺談』で第11回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン
79
人類が管理されたドームの中に暮らし、食事は必要な栄養素を錠剤と水で摂取。常に滅菌されている未来の世界に暮らす人類は、高度な技術によって進化したのか退化したのか?最初は少し理解しづらかったけど、読み進めるうちに慣れると面白くなってきた。千鳥、鶫、鳶の3人が其々個性的で良いです。千鳥が希望する部署へ配属されなかったのには理由があるのか気になるところです。事件と謎解き、血統、進化を良しとしない組織の存在等、気になる要素があり続きが読みたくなります。初料理「走れ」って何?って思ったけど、意味が分ると笑える。2016/12/10
佐島楓
47
ミステリ部分よりも、近未来の設定のほうを興味深く読んだ。食事でさえも無意味な行為になってしまう未来なら、私はイヤだなぁ。2016/03/05
雪紫
33
再読。言葉は統一され、食事は錠剤で栄養、街はドームで守られ、菌の存在には徹底警戒。ディストピアな遠い未来。この世界は進化したのか退化したのか。それゆえに起こる事件の数々。難しい世界のそれぞれの信じる道に色々考えさせられる中、絶滅した文化ーーわたし達にとっての現在の料理、作中では古代の料理を再現する試みが微笑ましい。果たして「走れ」というお料理はなんなのか、千鳥達の反応と合わせて答えが出るまでに考えるのも一考。2020/09/09
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
33
むっつかしい設定だなー…。今よりずっと未来の話。街は透明なドームに覆われ外気と紫外線から守られ。人々は水と錠剤のみで生活しており、そのことを不思議とは思わない。食事という概念や、植物、動物など人間以外の有機物は忘れ去られ、残された「バベル期」と呼ばれる時代の文献にしか残ってない。しかしその文献も、世界言語が統一された現在では判読不可能である。そんな世界で、千鳥、鳶、鶫の3人の青年が数々の事件に巻き込まれ、解決していく。一応ミステリ?途中まで読まされてたけど最後の引きに、次巻も読んでみようかと。2016/05/22
たんぽぽ
32
子供の頃に考えられていた未来像には、錠剤を飲むだけで事足りる食事…というのがあったような。現代のことを古代と呼ぶ未来の、管理された息苦しい社会、状況を理解するだけで終わってしまった感あり。次巻に期待。2016/01/23