出版社内容情報
お金を出すことで社会と関わっていきたい豆子32歳。仕事と経済、カップルでいること……をみずみずしい筆で紡ぐ、新感覚小説!仕事と経済、カップルでいること……をみずみずしい筆で紡ぐ、新感覚小説!
芳香剤のメーカーで働く地味な会社員、豆子は、自身の結婚式を機に、金銭感覚が人生と共に変化していくことの面白さを発見する。
決して「モテ」を追求することなく、社会人としての魅力をアップしていきたい。
退職して、「香りのビジネス」を友人と起こそうと画策する。
香水に、セクシーではなく、経済力という魅力を!
山崎 ナオコーラ[ヤマザキ ナオコーラ]
著・文・その他
内容説明
四姉妹の次女である豆子は三十二歳、芳香剤のメーカーで働いている。見た目も性格も地味な豆子だが、和やかな鯛造と出会って結婚することになった。結婚式を準備していくなかで、豆子は、自分の金銭感覚が人生の変化とともに、にょきにょき変わっていくことをスリリングに感じ、ある決心をするのだった。
著者等紹介
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
1978年生まれ。大学4年の就職活動の時期に初めて小説を書き、新人賞に応募した。2回の落選を経験し、3年目、会社員をしながら書いた「人のセックスを笑うな」で、2004年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Junichi Yamaguchi
38
『夢』… 可愛い世の中と思える人になりたい。 生々しい額のお金のやりとりは妙に背中がくすぐったいきになった。 ヒロインがいつか作る「経済力」という名の香水… 読後、その香りを想像することをやめられない。。2018/06/20
ちぇけら
24
「褒め言葉を期待せずに、自分の努力は自分だけがわかっていて、人に伝えないようにするのが一番なのだ」強くて脆い自立心だ。それは男だからとか女だからとかで測られなくない強い気持ちを持った自意識のせいだろう。他のひとから見られる自分に合わせることができない。こうありたいという自分を歪めることができない。そんな「可愛い」が乱立する世の中で可愛さの平行線でなんとか生きていこうとする意志が、ぼくにとってはとても苦しかった。2019/04/01
ぱなま(さなぎ)
23
「そうだ、私は紳士として社会から扱われたい、という欲望があるのだ」こんな文章に出会えるとは思っていなかった。なぜなら私も同じことを考えたことがあったから。この社会では女に生まれると、女である自分のままで、紳士として扱われることはできない。もちろん、女だからと可愛がられて得をしたことも何度でもある。ただ、自分の思われたいように思われるのはほとんど無理、なのだ。作中の豆子は、自分なりに考えた結婚式の大失敗でそのことを悟る。でも、自分の考えたことを行動に移す人のことを、私は可愛いと思う。2018/06/17
こゆび
21
可愛いを良しとする世の中と、可愛くなれない女、豆子。褒められたい。嫌われたくない。認めてほしい。自分を持っているのに、自分に自信を持てていないから彼女という人間はややこしい。ただね豆子、自分のために考えをあれこれ並べるよりも、相手のためにたった一言ありがとうを伝えることの方が大切なときもある。そんな風に私は思うよ。2021/03/31
わんつーろっく
20
雲ひとつない青空のようなブルーの表紙に、可愛い世の中。どんな世の中?解説は山本文緒さんで、自立と可愛げの両立とある。花・豆子・草子・星と名付けられた四人姉妹の物語だが、主人公は結婚を決めた豆子。結婚おめでとうなんて、言って欲しくない。腹をくくって稼いで、結婚生活に責任を持てというエールが聞きたいと。ゴボウの香水は想像がつかないけど、経済力のない夫を選んだ豆子の幸せのカタチを見守りたくなる。2024/01/10
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