出版社内容情報
金に困る生活、病に苦しむ女房、兄弟との相克――著者本人の体験が時代小説に色濃く反映された、初期傑作短編集〈解説、後藤正治〉江戸の長屋で板木師として日々腕を磨く清次。兄の弥之助は博打と女に溺れ故郷の家を潰した。
恋女房のおたみが重い病を患い、清次は版元の頼みで危ない橋を渡る。
金銭授受をめぐる刃傷沙汰から救ったのは、音信不通だった弥之助だった。
人生の闇に堕ちる男たちを描く表題作ほか、傑作時代小説全五編を収録。
藤沢 周平[フジサワ シュウヘイ]
著・文・その他
内容説明
江戸の長屋で板木師として日々腕を磨く清次。兄の弥之助は博奕と女に溺れ故郷の家を潰した。恋女房のおたみが重い病を患い、清次は版元の頼みで危ない橋を渡る。金銭授受をめぐる刃傷沙汰から救ったのは、音信不通だった弥之助だった。人生の闇に堕ちる男たちを描く表題作ほか、傑作時代小説全五編を収録。
著者等紹介
藤沢周平[フジサワシュウヘイ]
1927年、山形県鶴岡市生まれ。山形師範学校卒。’73年『暗殺の年輪』で直木賞、’86年『白き瓶』で吉川英治文学賞、’90年『市塵』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。’95年、紫綬褒章受章。’97年、69歳で死去。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんぶん
23
【図書館】市井物3篇と武士物2編の短編集。 「父と呼べ」が哀愁を帯びて泣ける。 息子も拾い子も去り、それでも残った老夫婦の会話が泣ける、妻に子供の代わりに父と呼ばせる夫の心情、酒でも飲まなくちゃやり来れない。 「相模守は無害」は公儀隠密物、明楽、大丸で着替え、という事でもう面白い。 明楽家はしっさいに居た隠密家の一つ、しかし、14年も忍ぶと言うのは凄い、それを、ひたすら待つ勢津の健気さ、気丈さ、に泣ける。 なんとか、戻れそうで一安心。 藤沢作品は安心して読めるのが良い。2022/05/29
あいちょ。
1
図書館。 ※父と呼べ ・闇の梯子 ・入墨 ・相模守は無害 ・紅の記憶2021/02/28
K
1
闇だなぁ。階段ではなく梯子。その描写の切れ味が怖い。2018/11/14
ササーキー
1
どの話も、深く染み込む感じ。暗さもあるし、晴々しさもある。2018/10/17