出版社内容情報
辻村 深月[ツジムラ ミヅキ]
著・文・その他
内容説明
息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画、親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」)。家族を描く心温まる全7編。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒。『冷たい校舎の時は止まる』(講談社文庫)で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。『ツナグ』(新潮文庫)で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』(文春文庫)で第147回直木賞を受賞、『かがみの孤独』(ポプラ社)で第15回本屋大賞第1位となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カメ吉
444
短編集ですが、どの作品も良かったです。懐かしさ満載で忘れてた記憶が戻ってくるような感覚な話が多かった。『家族』の親子であったり、姉妹であったり孫であったり…。 どの作品も親の目で見る感じで感情移入してしまう。 さすがは辻村深月作品でした。2018/05/05
さてさて
420
『家族というのは、喧嘩をしても、いつの間にかまた口を利くようになる』。7つの短編に7つの『家族』の物語が描かれていくこの作品。そこには、『家族』愛に満ち溢れた優しい物語、辻村さんだからこそ出せる『家族』の意味を再認識させられる、『家族』がとても愛おしくなる物語が描かれていました。”辻村ワールドすごろく”の重要なピースでもあるこの作品。短編とは思えない、物語の奥深さに驚くこの作品。辻村さんの作品の中でも地味な扱いを受けていることがあまりにもったいないと感じる、もっと読まれるべき素晴らしい作品だと思いました。2024/06/04
hit4papa
407
家族をテーマとした7作品が収められた短編集です。自分は年齢のせいか、父親やじいさんのお話にはホロリときてしまいます。やっぱり、家族は色々あっても、やっぱり家族なのです。良かったのは『私のディアマンテ』、『タイムカプセルの八年』、『孫と誕生会』。特に、『孫と誕生会』は、距離を置いて孫を見守る祖父の姿に、ホロリくる作品。孫に、竹とんぼを通して元気を与えるシーンが良いのです。あぁ、これに感動するようになるとは、自分もじいさんになったという証拠・・・。息子であり兄であり父である自分は、じいちゃんの役割を残すのみ。2020/08/18
佐藤(Sato19601027)
361
「家族」不思議な存在だな。気を遣わずに、無理なく自我を主張できる相手だからか、時には反発もするが、底辺では信頼もしている。この本は「家族」をテーマにした7つの短編集。登場する姉妹、姉弟、母娘、父息子、祖父孫、夫婦、どの設定でも、お互いを思いやる心に温かい気持ちになる小説集だ。NHKラジオの朗読番組で「『妹』という祝福」が放送されるというので読み始めたが、全作を読み終えて、どこか懐かしい気持ちになった。「1992年の秋空」の妹を思いやる姉の誇らしい気持ちが胸に響く。家族にも、他人にも、優しくしようと思う。2024/01/01
三代目 びあだいまおう
338
一番近くにいて深く繋がっている人間関係、それが家族。かけがえのない存在であるはずなのに、必ず小さな綻び、溝ができてしまう。プライドや勘違い、嫉妬や立場の違いなど、原因はきっと些細なことなのだろう。でも、その綻びや溝は、いつしかどうしようもなく大きく深くなる。後悔を謝罪に変換することがどうしてもできない。そんなどこにもある崩れた関係が【想い】という名の絆創膏で塞がってゆく!そんなエピソードに溢れてます!やっぱり家族が基本!家族はきっと、利害関係をベースにしない唯一無二の人間関係なんじゃないかな!好き‼️🙇2020/12/10
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- 和書
- 凍りのくじら 講談社文庫