出版社内容情報
真梨 幸子[マリ ユキコ]
著・文・その他
内容説明
父が遺してくれた家に、見知らぬ家族が住み着いた。しかも我が物顔で。「居候の女性が出て行ってくれません」。悩める十六歳から大洋新聞の「よろず相談室」に届いた一通の人生相談。掲載された回答から導かれた予想外の悲劇とは。投書される誰にでも起こりうる身近な事件が、大きな殺意に繋がっていく。
著者等紹介
真梨幸子[マリユキコ]
1964年宮崎県生まれ。多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤虫症』(講談社文庫)で第32回メフィスト賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
110
いやー、面白かった!新聞に寄せられた人生相談を軸に話が進んでいく連作短編集って感じですね。登場人物が多い上にペンネームとかキャバクラの源氏名とかなんやかんやで混乱するけど、最後の伏線回収はお見事。今回もミステリーとブラックユーモアのバランスが絶妙です。同じ出版社の女子社員同士の、モテてるアピール女と女子力無いアピール女のバトルのくだりなんかはリアルで吹きました。いやー今回も嫌な気持ちにさせてもらいましたよ~(笑)2019/11/21
NADIA
90
「居候している女性が出て行ってくれません」等、新聞の人生相談コーナーに掲載された相談からはじまる9編。短編集かと思いきや、全体で一冊のミステリとなっている。その場面場面はとても面白いが、繋がりが少しわかりにくく、人間関係の把握を怠った私は置いてきぼり。最後のラストを楽しむことができなかった・・・。残念だ。しかし、いくら好きだからってキャバ嬢に一千万円のバッグ(エルメスのバーキンだとさ)をプレゼントしたりするの?? この男、どんだけバカなの?? そこだけはしっかり頭に残った(^^;;2019/05/31
ノンケ女医長
87
たくさんの登場人物たち。メモして整理していかないと分からなくなる。その作業を求める作風に、今回もやられた。濃密な人生相談の数々。凄惨な殺戮シーンはなく、やや安心して読める。現在と過去を繰り返しながら、1998年に起きた忘れ難い出来事が明らかになっていく。幼少期のトラウマが、他人の好奇心で暴かれて行くのは実に苦しい。だからこそ、勝手に興味を持たれたり、ビジネスチャンスに転化されてしまうのかな。最後に登場する占い師の本性、私には分からなかった。誰?2024/11/03
アッシュ姉
87
新聞の人生相談コーナーに寄せられる様々な悩み、意外な相談者、無情の回答が黒い笑いを誘う。ゆるく繋がった一話完結スタイルで面白いと油断していたら、だんだん複雑に絡まり混乱。やはり真梨本には相関図必須と痛感。仔細にメモを取って整理しながら読む方が断然楽しめる。迷惑な居候、苦手な客、隣人トラブルなど、単発としても面白い前半が良かった。「西城秀樹が好きでたまりません」などタイトルのセンスも好き。2019/11/26
JKD
71
それぞれが単体の相談事のようで実は少しずつ人物と内容が絡んでいるので、ついページを戻してしまうのが歯がゆいけど、「大金を拾いました」あたりからはイヤミス全開。雪だるまのようにこれまでの登場人物が絡みまくり、グダグダになっていく過程が面白かった。登場人物と特徴をメモしながら読めばよかったかな?2017/07/29