出版社内容情報
謎の祟りに憑かれた男が皆塵堂に新たな騒動を持ち込んだ。人情と怪異、個性派人物と可愛い猫たちも活躍する人気シリーズ第5弾!店主の伊平次が曰く品ばかり仕入れるため、古道具屋皆塵堂は怪異騒動が続き、評判になっていた。ところが幽霊や呪いの類をまったく信じないばかりか、幽霊が見える太一郎を敵視する男、連助が皆塵堂の新たな押しかけ奉公人に。連助はなぜそこまでかたくなに幽霊を拒むのか。怪異騒ぎのインチキを暴こうとする連助自身、大店の婿入りを控えていた。その店の婿はなぜか短命続き。連助が何かに祟られていることを心配する面々は!?
質屋蔵
衝立から覗く顔
幽霊屋敷 出ても見ぬ振り
六連屋と妖刀
刀を折る者
あとがき
輪渡 颯介[ワタリ ソウスケ]
著・文・その他
内容説明
怪しげな曰く品を扱う皆塵堂で、連助という男が働き始めた。だがこの連助、幽霊や呪いや祟りの類を絶対に信じようとしない。幽霊が見える太一郎などは天敵だ。連助の婿入りが決まっている紅白粉問屋六連屋では、なぜか跡継ぎの婿が次々と早死にしていた。主の伊平次らは、祟りの正体をつきとめられるか!?
著者等紹介
輪渡颯介[ワタリソウスケ]
1972年東京生まれ。明治大学卒。『掘割で笑う女“浪人左門あやかし指南”』で第38回メフィスト賞を受賞し、講談社ノベルスよりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
89
幽霊や呪いの類をまったく信じないばかりか、幽霊が見える太一郎を敵視する男、連助が皆塵堂に押しかけ奉公人としてやってきました。連助がそこまで意固地に幽霊や呪いを遠ざけているのには、深い理由があったのです。 その理由を知った太一郎、皆塵堂の面々、巳の助らの温情あふれる振舞いに、読んでいてこちらも温かい気持ちに。それにしても、最終的に解決策の提示をしたのが猫の鮪助というのが、鮪助ファンとしては嬉しい限りです。2022/12/28
papako
66
今回は幽霊を信じない、いや信じたくない男、連助が皆塵堂にやってきた。馬鹿にされた太一郎は怒っているのに、連助のために呪いをどうにかしようとする。巳之助は相変わらず。今回は峰吉の出番が少なくて残念。清左衛門、伊平次の2人が結構頑張った。最後の巳之助の言葉がけっさくです!これを読むためにシリーズ読んできたんじゃないかってくらいに最高に笑った!うん、このシリーズめっちゃ楽しい!最初のイメージから大違いだわ。2021/06/11
mihya
51
皆塵堂シリーズ5冊目。今回は「幽霊なんて絶対いない」と豪語する連助が皆塵堂におしかけ奉公してくる。連助は嫌な奴ってイメージで終わった。みんな、良い人すぎだよ。 あとがきによると作者も「この物語は幽霊話」と念を押しているが、まあ結構は猫の話じゃないかって気がしてる。 『猫の胴は長い』覚えておくと役に立つことがあるかもしれない…らしい。2022/09/26
Richard Thornburg
35
感想:★★★ シリーズ第5弾。 いつもの面々に加えて、今回はいつもと趣向を変たアンチゴースト派の連助が登場。 言葉はトゲトゲしいのですが、幽霊や祟りの類を信じない(信じたくない)理由はごもっとも。 いつもの面々はそんな連助を災厄から守ろうと奔走しますが、連助の態度は最後まで変わりませんでした。 ドタバタ劇の中で見せる巳之助の言動は群を抜いて面白いですね。 キャラ的には結構好きかも。2018/10/30
お涼
32
シリーズ5作目。今回の主人公は幽霊や呪いを信じない連助。それを証明するために皆塵堂で働きたいと押し掛けてくる。そんな連助のために皆塵堂のみんなが幽霊を見させないように動くのがなんとも優しい。太一郎の出番が多くてよかった。連助のポジティブシンキングがもっと広まれば世の中平和になりそう。2021/12/23