出版社内容情報
霊媒師・アーネストが受けたのは、藤村家から消えた少女の捜索依頼。霊感ゼロの喫茶店店主・佐貴と訪れた藤村邸で殺人事件が起きる!霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、十六年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女の捜索依頼。屋敷には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には「持ち主の運命を狂わせる」と噂される人形が飾られている。依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまい――。
序章 水の音
第一章 月虹花
第二章 渦巻き回廊
第三章 金の紫陽花
第四章 繋がる輪
第五章 鎮魂曲
幕間 遺された手紙
終章 晴れた空
風森 章羽[カザモリ ショウ]
著・文・その他
内容説明
16年前に画家の屋敷から消えた少女を捜してほしい―。霊感ゼロの喫茶店店主・佐貴のもとに舞い込んだ依頼は、友人にして由緒正しき霊媒師・アーネストへのものだった。年に一度の紫陽花観賞会に招かれた二人が見たものは、屋敷内の奇妙な回廊と、奥にあるいわく付きの人形。そこへ不可思議な殺人が起こる!
著者等紹介
風森章羽[カザモリショウ]
東京都調布市生まれ。『渦巻く回廊の鎮魂曲―霊媒探偵アーネスト』で第49回メフィスト賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
46
タイガから文庫版に戻り読了。独特の透明感のある文章、技術的にも危なげなく、しかも内容は館モノと、良い作品だった。二巻目も読んでみよう。2016/09/23
山本真一郎
31
読了。著者初読み。以前から少々気になっていた事もあり、文庫化を機に購入してみた。主人公アーネストに付いている霊媒師という怪しげな肩書きとは裏腹に、物語の展開自体は最初から結構淡々としている印象。起こる事件も同様で、それこそ新鮮味は無いなあ等と思っていると、ラストの些かならずファンタジックな展開場面で何度か足を掬われる事になるのは流石にメフィスト賞というところか。作者の真意は兎も角読者からすれば、単発ものではなく続きものを意識している事が様々な意味で看て取れるので、次作も機会があれば読んでみようか。2016/09/28
秋良
13
依頼は16年前にいなくなった少女を探すこと、奇妙な館、クローズドサークル、何かを隠している住人、そしてイケメン。と2時間ドラマとかにありそうな雰囲気で気楽に読めた。デビュー作なので、何も知らずに読んだシリーズの後の作品の方が面白かったけど、妖しい雰囲気を最後まで崩さないでいたのが良かったかな。人形の因縁は正直そんなに興味持てなかった。それより佐貴の叔父の殺された理由が不憫というか、そんな簡単に殺しちゃうんですか、というか。まあ本人が気にしてなさそうだから良しとする。2022/12/24
あゆ
13
時期的にピッタリの1冊でした。美貌の霊媒師アーネストと友人で喫茶店のマスター佐貴。2人の元にある依頼が舞い込んだ。2人は依頼のあったある画家の屋敷に向かうがそこで殺人事件が起こる。解決方法はある意味反則ですが、その中でも探偵はある意味フェアに謎解きをしていました。アーネストにはまだまだ秘密がありそうです。2021/05/26
wataru909
10
良くも悪くもメフィスト賞的である。謎のアイデア勝負、そしてキャラクターで読ませると(こうは言うもののキャラは外見だけ個性的で、中身は小粒)。これはメフィスト賞ミステリーの典型、つまり好む好まざるは個人の趣味となる。しかし内容に比して、文章の耽美要素が足りないと感じる。如何にもなキャラクターなのに舞台なのに表題表紙なのに、言い回しや表現は普通というか平凡。酔わせるような気障ったらしい表現を期待したのだが、これは私の見当違いか。オカルトもありなのに地味なミステリーという印象。2016/09/11