出版社内容情報
土佐22万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原ののち、牢人の身に落ちた。再起を賭け大坂夏ノ陣に立ち上がったが。悲運の武将を描く。土佐22万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原ののち、牢人の身に落ちた。再起を賭け大坂夏ノ陣に立ち上がったが。悲運の武将を描く。
司馬 遼太郎[シバ リョウタロウ]
著・文・その他
内容説明
土佐二十二万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原の戦いで西軍に組したため、一介の牢人の身に落ちた。謫居を京都に定めた盛親は、再起の野望を密かに育む。大坂冬ノ陣を機に立ち上がり、夏ノ陣に旧臣五千人とともに血戦へと臨むのだが―乱世の運命に翻弄された悲運の武将を鮮やかな筆致で描いた傑作!
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語科卒。産経新聞社勤務中から歴史小説の執筆を始め、’56年「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞を受賞する。その後、直木賞、菊池寛賞、吉川英治文学賞、読売文学賞、大佛次郎賞などに輝く。’93年文化勲章を受章したが、’96年72歳で他界した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
87
講談社文庫歴史時代小説フェア 長曾我部…、亡くなった祖父が「大河ドラマにしたら爽快な出来になるだろう」と言っていたのですがラストはあっけなかったのですね…。2020/04/20
金吾
44
主人公長曾我部盛親が素質に溢れているが、実践でその実力を発揮できなかった坊っちゃんというイメージを受けました。しかし部下や周りの人間に慕われるという貴種として上手く設定されていると感じました。2023/01/03
AICHAN
42
再読。長宗我部盛親の物語。父・元親は土佐から興り四国全土を手中にしかけたが、中央で秀吉が台頭して土佐一国に封じ込められる。関ヶ原の少し前に元親は死に、家督を継いだ盛親は成り行きで西軍に属し、敗軍となり土佐一国取り潰しに遭う。盛親は京都に隠棲し密かに生計を立てていた。大坂の陣が始まると盛親は大坂城に招き入れられ、徳川軍と戦う。しかし盛親は刑死したとされる。その家臣たちの長曾我部侍たちが討幕に働いた一因は、盛親の怨念が幕末になって沸騰したことにあるだろう。前段が司馬さんらしくもなくしょうもない話で残念だった。2024/03/06
ロマンチッカーnao
28
最高に面白い一冊。長曽我部盛親の生涯を描いた作品。四国を統一したお父さんさんの長曾我部元親は有名だけど、その後を継ぎ、関ヶ原で西軍に組みして、長宗我部家を滅ぼしてしまった息子の盛親は無名といっていい存在。冬の陣、夏の陣でも真田幸村ほど有名ではないし、でも、この小説はもっと読まれてほしい。侍の生涯を描いた作品としては最高だと思います。なぜ、冬の陣、夏の陣で負けるとわかっていて大阪方に味方するのか。生涯に一度だけ自分のすべてをかけてみたい。勝つ方に味方して保身や出世を目指す欲がない。真田も後藤も盛親も。2020/09/26
matsu04
28
長宗我部盛親である。関ケ原での敗戦後、大坂夏の陣で最期を迎える(?)訳であるが、運に見放され滅びを覚悟したかのようなこの男の生き様を、著者は侍のロマンの如く描いているが、それは…、ううぅむ。いずれにせよ長宗我部家にとっては、詮無いこととは言え、元親の長子・信親の九州での討死が何と言っても痛かった。2020/05/03