講談社文庫<br> 未明の闘争〈下〉

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講談社文庫
未明の闘争〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 373p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062933230
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

日常と非日常がごちゃまぜになっている我々の本当にリアルな現実が目の前に現れる、今を大切にしたくなる小説。野間文芸書受賞作。年老いて目が離せなくなった猫たちとともにある暮らしに、
友がやって来て小説やマンガについて語り合い、
音楽を聴き、思いは時空を超えていく……。
私たちの生(リアル)のすべてがここにある!

*内容紹介*
かつて私が話をしたという「前世の記憶」という言葉に触発されてずーっと考えてきたことをアキちゃんは熱く語り、私は十五歳も年下なのに高校生に戻ってうずうずした村中鳴海といきなり旅に出たときの記憶を鮮やかによみがえらせる。その間にも猫と人間に流れる時間は続いていく……。野間文芸賞受賞作。

「小説の作者とは、書き手でも、読み手でもない、小説自身こそが真の作者なのではないか? そんな捨て台詞でも吐いてやりたくなるほどに、『未明の闘争』は汲み尽くせない。私など足元にも及ばない、作者である保坂和志も見上げる遥かな高みに、ただ『未明の闘争』という小説だけがそびえ立っている。」
――磯崎憲一郎「解説」より

小説の概念をはるかに凌駕する傑作長編

保坂 和志[ホサカ カズシ]
著・文・その他

内容説明

かつて私が話をしたという「前世の記憶」という言葉に触発されてずーっと考えてきたことをアキちゃんは熱く語り、私は十五歳も年下なのに高校生に戻ってうずうずした村中鳴海といきなり旅に出たときの記憶を鮮やかによみがえらせる。その間にも猫と人間に流れる時間は続いていく…。野間文芸賞受賞作。

著者等紹介

保坂和志[ホサカカズシ]
1956年山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政経学部卒業。’90年『プレーンソング』でデビュー。’93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、’95年『この人の閾』で芥川賞、’97年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2013年『未明の闘争』で野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きょちょ

27
保坂ファンだけれど辛口。 今までで一番面白くなかった。 最後までこの作品の良さが分からなかった。 山梨で村中鳴海に対し、「掃除」の話をどう持ち出すか、というところが面白かった程度。 村中鳴海も最初はちょっと魅力的に映ったが、結局嫌な女だった。 山下公園での人々の描写などは読んでいて苦痛でしかなかった。 読み手のことを全く無視して(私はそれ自体は決して悪いこととは思っておりません)、作品があっちこっち独り歩きしていて全体に散漫な印象がぬぐえない。 作者の意図も外れて作品が勝手に独り歩きしているのだろう。 ×2018/07/14

メセニ

7
”自分が分からん=クソ”だなんてのは成り立たないし、たいていはむしろ自分のリテラシーが問題だけど、にしてもこの作品には間合いに入らせてもらえなかった。解説で何となく解消されたけど。そもそもこの小説は語り手「私」の不確かな断片的記憶の集積で、作者には最初から設定や筋書などの考えがない。当初は重要と考えてなかった人物が自らの意思で魅力的に動き始めたと言うから、いかに書き手の意図を離れ、作品がそれ自体によって生成されていったかが分かる。意味性や解釈を離れ、純粋にテクストと向き合えない時点でおいてきぼりを食らう。2017/05/09

Nick

6
長かった。描写が丁寧、話があちこちに飛ぶ、あり得ない近所付き合い、予想に反して妻への言及が少ない、篠島の話がもっとあると思った、猫とのかかわり合いにはホッコリした。たまにはこのような小説も良いかな、と思った。2024/09/07

qoop

6
時系列を無視して意識の流れを追い、自己の意識の流れから逸脱して他者の意識を取り込み、意識して〈見る〉行いを飛び出て〈見える〉もの全てを記述し、自己の日常を語りながら地続きで他者の日常を追い始める …と本作は生活の情景を追いながらそのスケール感は止まることを知らず、時間も空間も意識と無意識も自己と他者も、境界を設けずにミニマムなまま世界を飲み込んでいく。これは一体何なんだ。山下公園の情景が続くのを読みながら、すごい本だな…としばらくドキドキが止まらなかった。2020/01/15

4
「正しく今を生きるミュージシャンだけがブルースのギタリストが鳴らさずに死んでいった音を聴く。今から二十年もすれば高校生だってジミヘンと同じ演奏をするようになるだろうが、その演奏からはブルースは聞こえない。ジミヘンはとっくに死んだブルース奏者のギターの音にまで活力を吹き込んだ。」2016/07/24

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