出版社内容情報
黒柳 徹子[クロヤナギ テツコ]
著・文・その他
内容説明
「きみは、本当は、いい子なんだよ!」小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそういった。「そうです、私は、いい子です!」―トモエ学園の個性を伸ばすユニークな教育と、そこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた感動の名作。字が大きくて読みやすく、絵も鮮明に美しくなった新組版が登場!
著者等紹介
黒柳徹子[クロヤナギテツコ]
東京生まれ。女優、タレント、司会者、エッセイスト。東洋音楽学校(現・東京音楽大学)声学科卒業後・NHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として活躍。テレビ番組、舞台、コンサート等幅広く活躍。’81年刊の著作『窓ぎわのトットちゃん』は国内だけでシリーズ累計800万部の戦後最大のベストセラーとなり、世界35ヵ国で翻訳されている。この印税で社会福祉法人「トット基金」を設立し、プロのろう者劇団を支援。また、’84年よりユニセフ(国際連合児童基金)親善大使となり、世界30ヵ国を訪問し、飢餓、戦争、病気で苦しんでいる子供たちを支える活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
164
再読。言わずと知れた、戦後最大のベストセラー。子供の頃から大好きで、何度も読んでいる作品。黒柳徹子さん(トットちゃん)が小学校を1年生で退学になり、トモエ学園に転校してからの生き生きとした日々を描く。大人になってから読むと、校長先生の子供達に対する愛情や教育方針が本当に素晴らしいのがよく分かる。こういう情操教育って、現代にこそ必要なものじゃないかしら。もし今でもトモエがあったら自分も通いたかったし、子供も通わせてみたかったな。いわさきちひろさんの可愛らしい絵が見事に調和していて、物語をより引き立てている。2020/09/11
カピバラKS
163
●戦争が暗い影を落とす昭和10年代に、発達障害の小学生トットちゃんが、先進的で自由な校風のトモエ学園において明るくすごす日々を描く。昭和56年発刊(旧版)の黒柳徹子による自伝で戦後最大のベストセラーだ。●自分は愛知県在住である。当時、管理教育の愛知県では、本書を学校図書館から締め出していたが、小学3年の女性担任教諭は読み聞かせをしてくれた。世評どおりの良書だと思っていたのだろう。●本書は障害者差別を始めとしたあらゆる差別が過ちであることを、読者の心に刻み込む不朽の名作である。近日の映画公開も楽しみだ。 2023/12/06
trazom
146
NHKの新プロジェクトXで小林宗作先生とトモエ学園の番組を観て、この本を手にする。何度も涙を拭いながら読む。子どもたちと向き合い、子どもが持つ「いい性質」を見つけて伸ばしてゆくという、教育者としての小林校長先生の愛情の深さが心に沁みる。前の学校で「もてあましもの」であったトットちゃんに「君は、本当は、いい子なんだよ」と言い続けた小林先生も、「何々をしたい」と言うと「いいわよ」と応じ続けたママも、本当に立派だと思う。こんないい本だったんだ。出版から40年、ベストセラーを忌避する自分の偏狭さが恥ずかしくなる。2024/08/10
エピファネイア
136
何十年ぶりかで再読した。好奇心旺盛で考えるより先に行動してしまうトットちゃん。最初の学校ではその個性が理解されずトモエ学園への転校を余儀なくされたが、そこで小林先生という人生の恩師と巡り会ったことがトットちゃんの人生を変える。トットちゃんの今があるのは小林先生やお母さんのようなよき理解者があってこそだ。子どもに対しては個性を受け入れ伸ばしてあげることが大事だと痛感。大人の偏見や画一的な考え方が子どもの個性を伸ばすチャンスを奪い取っている。日本中に小林先生のような先生がいれば子どもの目がもっと輝きそうだ。2023/11/19
いたろう
96
アニメ映画が公開されたということで、映画は観ていないが、小説を読んでみる気になって手に取った。この小説が大ベストセラーになったのは、中学生の頃だったが、当時、男子中学生が読むような本じゃないと思って読まなかった。ちょっと変わった女の子が起こす騒動を描いた本くらいに思っていたが、そんな単純な話ではなかった。ここに書かれているのは実話。登場人物も実名の実在の人たちというだけでなく、戦前戦中にこんな小学校があったのかと驚かされるトモエ学園の校長、小林宗作先生の教えを記した教育論にもなっていて、なかなか興味深い。2024/01/22