内容説明
弁護士会の大物が自宅でむごたらしく殺された。横浜地検の検察官岩崎紀美子が担当につくが、それほどの恨みを買う相手とは何者なのか。妨害にひるまず真相を追う若き女性検察官は、権力の暗部に踏み込んでいく。検察と弁護士会の暗闘は、法曹界を揺るがす大醜聞に発展する!第40回江戸川乱歩賞受賞作。
著者等紹介
中嶋博行[ナカジマヒロユキ]
1955年茨城県生まれ。早稲田大学法学部卒。ジョン・グリシャムの作品に影響を受けて小説執筆を始め、横浜弁護士会に所属しながら’94年『検察捜査』で第40回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
140
むかしハードカバーの本で読んでよくまあ検察や弁護士の内情を知っている著者だと感心した覚えがあります。ちょうど大学時代の同級生が検事をやめて弁護士になった当時なのでかなりインパクトがあったと思いました。いま読んでもあまり違和感がなく読めました。中嶋さんはそれにしても著作があまり多くないわりには「司法戦争」もそうでしたが、女性主人公が多いと感じました。男性だとモデルがわかってしまうのですかね。2016/10/15
はつばあば
67
ほんの数年前大阪検察庁で汚点があった。戦前の検察官が司法行政を牛耳っていた名残がまだ残っているのだろう。最初はただの怨恨?かと思っていたら検察庁が日弁連に殴り込み?。キャリアを名乗る霞が関ってどんなものでしょうね。弁護士が少ないと法科大学院を作ったが大量合格者など出してしまって、後で後悔する羽目になった。阪大から司法試験を受かり研修生として裁判所・検察庁とまわり貴重な経験をした娘の友人。どちらからも「うちに来い!」という言葉を袖にして渉外弁護士になったが・・。そんなことを思い出しながら読んだから面白かった2016/10/17
k5
63
夏のリーガルミステリ祭り②。検察と日弁連の陰謀合戦を描いた大著。権力闘争の生々しい面白さに加え、小ネタかと思っていたものが伏線回収されるなどの繊細さもあって満足度は高いです。謎解きとしては、やっぱり最後の犯人が分かったとき「おまえ誰やねん?」となってしまう弱さや、所轄の刑事がどう考えても主人公の検事より優秀だったりとかありますが、この作家は何冊か読みたい作家です。2022/07/16
shinchan
32
中嶋さん、初読みでした。30年前の作品で第40回の江戸川乱歩賞。確かに、ワープロ、フロッピーディスク、堂々とタバコetc懐かしの単語が盛りだくさんでした。現役の弁護士さんの作品だけに専門用語が次から次。女性検察官、岩崎さんの頑張りに拍手👏👏👏👏👏、少し疲れました。2024/07/08
達ちゃん
31
中嶋さん初読です。乱歩賞受賞作ということで、期待通りの面白さ。ちょっと難しい用語が出てきますが、なかなか読み応えのあるサスペンスでした。2019/12/06