出版社内容情報
麻耶 雄嵩[マヤ ユタカ]
著・文・その他
内容説明
神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。
著者等紹介
麻耶雄嵩[マヤユタカ]
1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の’91年、島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎各氏の推薦を受け、『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビュー。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2015年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
227
噂に聞いていた麻耶さん…初めて読みましたが、確かに衝撃的でした!まず目次を見た時点で驚愕…何このシンメトリーは!?いつも目次を見てだいたいのストーリー展開を予想する僕も、これには面食らいましたね(笑) そして内容…講談社ミステリーランドという“子供向け”レーベルのために書いたとはとても思えない、予想以上にショッキングなストーリーでした(苦笑) それでも、後半の展開は僕の推理どおり…と思ったら、最後にとんでもないことが(笑) これには納得されていない方もいるようですが…確かに伏線はありますね!僕は納得です。2020/06/23
nobby
179
「神様は何でも知っている」これが全てなのか…連続する猫惨殺を追う芳雄がふと話す様になった自称「神様」な転校生 鈴木太郎。それを疑いゲーム感覚で会話進めるも、言葉通りに起こる殺人。探偵役を全知全能の神として存在させ、あとは読者に全て委ねるのはとても斬新!後半、段々と予想させる後味悪い展開に真相なりながら、ラストでは「えっ!そっち!?」と困惑…それまでの推理やら検証を全部ひっくり返す潔さに唖然…“天誅”でなく“天罰”?など考えたが、結局は神様確定で納得しとこう…2017/05/03
ALATA
169
神様は間違えない。どんなに信じられなくても、そこにはただ真実のみがあるはずだ。ひさびさの麻耶ワールド、終章で堪能させていただきました。メルカトル、隻眼の少女、そして神様と不条理感ある謎解きストーリーなのに見事なまでに着地する精緻な技巧に参りました。何気ない誕生日から始まるプロローグ、子猫虐待事件、そして浜田探偵団の活躍、犯人探しゲームが始まる展開に一気読みでした。★5※それにしても最期のところは全く予想できなかった。続編も読まなきゃ。2024/06/21
yumimiy
169
神様が鈴木という名の小学生に化けて学校にやって来た。なんでここに?「神様は退屈なんだよ、だから遊びに来たんだ」とさ。そして、余程気に入ったのか黙々とトイレ掃除に勤しむ。だったらあたしん家に来てくれりゃぁいいのに退屈させないほどこき使ってやる。一方、ボ・ボ・ボクらは少年探偵団~♪勇気リンリン・・・なんだっけ?4年1組浜田探偵団5人組はノラ猫殺しの犯人捜しを始めるがメンバーの芳雄君は神様鈴木君に犯人は誰?と尋ねるとあっさり○○○○だと暴露。序に僕は何歳で死ぬの?36歳。こんな口が軽い神様がいてもいいのか~ぃ!2019/05/28
hnzwd
155
町内で繰り返される猫殺しの事件を追ううちに、秘密基地での殺人事件に遭遇する少年探偵団。これに、自分は神様だ、という鈴木君が絡んで話は混沌として。。辿り着いたと思った真相をもう一度カオスに引き戻す構成は、流石、麻耶雄嵩。『鈴木君は本当に神様なのか』という命題を真とするか偽とするかによってまったく違う真相になる、ってのは上手い。2015/07/22