出版社内容情報
20世紀前半の時代精神を象徴する言葉「流線形」。自動車・列車から家電、ダイエット、社会進化論まで、問題圏の拡がりを分析する。20世紀前半、。自動車や飛行機に始まり日用品や家電品まで「流線形」は工業デザインとして一世を風靡する。物理学に発するこの言葉は、「障害因子」「ムダなもの全般」を取り除いた優秀さの係数として読み替えられ、価値評価の絶対的基準になっていく。健康神話、ファッションから社会進化論、果ては排外的国家主義へと「純化」の方向に向けて世界を煽る根幹の記号となった「流線形」が席巻した時代とは?
第1章 プレ流線形時代
第2章 一九三○年代、流線形大衆化時代
第3章 流線形シンドローム
第4章 流線形帝国ナチス
第5章 記号の帝国ニッポン
原 克[ハラ カツミ]
著・文・その他
内容説明
一九三四年に登場した米国軍エアフロー。それは空気力学の精華、速度・燃費・形状革命の頂点だった。さらに「流線形」という記号は工業デザインの枠を超え、この世界のあらゆる事物に関して摩擦・障害因子・ムダの排除へと煽り立てる。理想体型の追求、組織の効率化、社会の浄化へとイメージ展開していった流線形による科学的神話圏の広がりを解明する。
目次
第1部 流線形メイド・イン・USA(プレ流線形時代;一九三〇年代、流線形大衆化時代;流線形シンドローム)
第2部 ドイツと日本の流線形(流線形帝国ナチス;記号の帝国ニッポン)
著者等紹介
原克[ハラカツミ]
1954年生まれ。立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程中退。1985~87年ボーフム・ルール大学客員研究員。2001~02年ベルリン・フンボルト大学客員研究員。早稲田大学教育学部教授。専門は表象文化論、ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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