出版社内容情報
ジークムント・フロイト[ジークムント フロイト]
著・文・その他
十川 幸司[トガワ コウジ]
翻訳
内容説明
一九一五年、精神分析の根本的な構築を企てたフロイトは、一冊の書をなすべく一二本の論文を一気呵成に書き上げる。しかし、結果的に一部が発表されただけで終わったその書『メタサイコロジー序説』は幻となった。本書には、一二本のうち、現存する五篇と後世に発見された草稿一篇のすべてを収録。第一級の分析家による決定版新訳が、ここに完成。
目次
欲動と欲動の運命
抑圧
無意識
夢理論へのメタサイコロジー的補足
喪とメランコリー
転移神経症概要(草稿)
著者等紹介
フロイト,ジークムント[フロイト,ジークムント] [Freud,Sigmund]
1856‐1939年。精神分析の創始者。治療の実践から独自の人間理解を引き出し、精神医療のみならず、20世紀の思想に計り知れない影響を与えた
十川幸司[トガワコウジ]
精神分析家、精神科医。山口大学医学部卒業後、自治医科大学で臨床に従事。その後、プレモントレ病院(フランス)に勤務しつつ、高等社会学院で精神分析を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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evifrei
18
フロイト自身によるフロイト理論の最高の解説書ではないだろうか。自己の理論を生み出しそれを礎石にしながら、精神分析の臨床的経験を解明していった経過を手に取る様に読むことができる。生物学的知見から遊離した記述も見られるが、フロイト理論への具体的な接近を可能にすると共に、経験からの分析者であり理論家でもあったフロイトの生きた姿を垣間見させる一冊だ。欲動は①対立物への反転②自分自身への方向転換③抑圧④昇華という結末を迎えるが、これらが快感原則や抑圧理論の基礎となっているという点を簡明に述べた点が特に興味深かった。2020/07/21
Mari
5
図書館2018/02/18
ゆきだるま
0
見えないものをよくここまで理論として構築したなあと。その真偽がどうあれ。ゆったらこの理論自体妄想だとされかねないというのに。特に抑圧のメカニズムとか。欲動とか情動が不安に置きかえられてしまうとか。理論自体が絡み合ってることのすごさ。フロイトの解説本しか読んだことなかったので、根底にこんな理論があったんだなあと改めて知れた。(すべて理解できたわけではないが)2024/03/18
地獄八景
0
転移神経症概要は途中で挫折。後からまた読み直すのではないだろうか。2023/05/21
yoyogi kazuo
0
冒頭の欲動論の冒頭部分がフロイトの精神分析論の肝といっていい箇所で、精神分析を一つの科学だとする意気込みが伝わってくる。だがその内容は難解でとても理解できなかった。たぶん何度も読み直す必要があるので、持っていて確実に損のない一冊ではある。2022/12/29