出版社内容情報
タイモン・スクリーチ[タイモン スクリーチ]
著・文・その他
森下 正昭[モリシタ マサアキ]
翻訳
内容説明
一六〇三年、江戸開幕。当時の江戸は、東の卑小な要塞だった。徳川家は、千年の雅都・京に負けない町を作り出す。壮麗な日本橋は、経済の象徴「金座」、時を支配する「時の鐘」、そして異国への扉「長崎屋」を従えた。延暦寺と「寛永寺」、琵琶湖と「不忍池」が対にされた。江戸の風景を再現し、その意味を解読。格好の江戸散策手引書です。
目次
第1章 日本橋、道の始まり(橋の建設;詩歌における橋と文化 ほか)
第2章 新しい京・江戸(京に匹敵する江戸;その他の名所 ほか)
第3章 江戸聖地巡礼(江戸の宗教地図;裏鬼門 ほか)
第4章 歌枕を求めて(定まらない名所;富士山 ほか)
第5章 吉原通いの図像学(橋;建物と樹木 ほか)
著者等紹介
スクリーチ,タイモン[スクリーチ,タイモン] [Screech,Timon]
1961年生まれ。オックスフォード大学卒業。ハーヴァード大学大学院美術史学博士号取得。現在、ロンドン大学教授。専門は、日本美術史、江戸文化論
森下正昭[モリシタマサアキ]
1966年生まれ。上智大学大学院修士課程修了(英文学)。ロンドン大学、ノッティンガム大学に学ぶ。博士号取得(社会学)。現在立命館アジア太平洋大学国際経営学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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∃.狂茶党
9
大都市江戸のまちづくり。 『帝都物語』荒俣宏的に、博物学的興味で読んでしまう。 作者は英国出身で、視覚文化の側面から、江戸を捉えてきた人。 五つの町・区画のスケッチは短いながら、学者らしく、細かな例を上げていく。 大普請の主導者は、もちろんお上なのだが、都市計画は図面通りに育たないもので、人々の動きが、予定を変えていく。 まちは、それ自体物語となり。人々の物語と絡み合っていくし、後の世の人が、新たに物語を編む。 本書は、スクリーチの編む江戸。2022/12/29
天婦羅★三杯酢
1
美術史家が語る江戸論。タイトルから連想して、建築や土木について語るのかという気がしたが、実際には為政者や文人たちがいかなる意味を武蔵の一漁村だった江戸に付けていったのか、という話である。にしても、色々「え?そうだったの!」という事項が多く、所謂江戸趣味な人間なら、蘊蓄の蓄積に持って来いの内容でもあろう。特に江戸が京都を模して、寺社仏閣を中心として色々「京にあったもの」を作ったと言う話と、しかしそんなエピゴーネンから抜けるために、京にはない”何か”を活用した様などを解く論攷はおもしろかった。2021/01/24
み
1
東京に住んでいる間に江戸のこと知ろうと思って読んだ.中学校とかまでの歴史では,江戸時代が始まりました,で終わる所が,いかに大変で,面白いものかわかった.歴史,地理,宗教を合わせて,街歩きをしたい.2018/05/19
狐(beta)
1
すごく面白い。今の東京をより楽しめる一冊2018/04/05
Masanori Nagayama
0
吉原までの道行にここまで意味を見出すとは。2021/10/01
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- 和書
- 現代史の争点 文春文庫