講談社学術文庫<br> 言語学者が語る漢字文明論

個数:
電子版価格
¥1,155
  • 電子版あり

講談社学術文庫
言語学者が語る漢字文明論

  • 提携先に在庫がございます【僅少】
    通常、5~7日程度で出荷されます。
    ※納期遅延や、在庫切れで解約させていただく場合もございます。
    (※複数冊ご注文はお取り寄せとなります)
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷予定日】
    通常、5~7日程度で出荷されます。

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫状況は刻々と変化しており、ご注文手続き中やご注文後に在庫切れとなることがございます。
    ◆出荷予定日は確定ではなく、表示よりも出荷が遅れる場合が一部にございます。
    ◆複数冊をご注文の場合には全冊がお取り寄せとなります。お取り寄せの場合の納期や入手可否についてはこちらをご参照ください。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062924450
  • NDC分類 810
  • Cコード C0180

出版社内容情報

漢字はことばではない。記号である。豊かで強固な漢字文化圏という幻想を標的に、漢字と日本語、漢字と周辺アジア系言語の関係を探る漢字は言葉ではない。記号である。漢字にはオトは必要ない。どの言語ででも漢字を「訓読み」できる。では、中国文明の周辺地域を含めた「漢字文化圏」とは自明のものなのか。歴史上の突厥・契丹・西夏・女真・モンゴル文字など、漢字からの自立運動は何を意味するのか。漢字を残す日本語は独自の言語であることの危機に瀕しているのか。言語学者が考察する文字と言語の関係。

第一章 日本語という運命
母語ペシミズム 外国人をはばむ漢字語 日本人に八つもの言語が!
「言語共同体」とは ことばの名に「国」をつけるな 言語共同体は運命共同体
第二章 「日本語人」論
日本語人にはみずからの意志によってなる 自分の意志でなるカナダ人
人類共用語のために母語を捨てられるか 漢字はローマ字に勝てない?
文法はかえられない 文字はかえられる 
オト文字は言語の構造をより明らかにする 
第三章 漢字についての文明論的考察
「漢字文化圏」論  日本は「漢字文化圏」の行き止まり  
漢字文化圏からの離脱の歴史  進化する本家の漢字  
中国語知らずの漢字統一主義者  漢字に支配されなかった周辺諸族
特に突厥文字の原理について  ウラル=アルタイ諸語を特徴付ける母音調和
チベット文字とモンゴル文字  漢字におと7は必要ない  
訓読みはどの言語にも起きうる  音読みだって一通りではない
数字の訓読み  ローマ字にも見られる象徴性
ふりがな、訓読みは線条性(リネアリテ)に反する  歴史記述と線条性
筆談で伝えるのは言葉ではない  もしローマ帝国が漢字を使っていたら
漢字は言語を超えている  いまさら「音声中心主義」?
周辺民族の恐るべき言語本能  直接支配下にあった朝鮮語
ハングルによる朝鮮語の闘いはこれから  中国語そのものが漢字と闘っている
日本人と漢字――最後に残る漢字圏の問題
第四章 「脱亜入欧」から「脱漢入亜」へ
 日本は中国と同文同種か  中国語は日本語よりも英語に近い
 モンゴル語が開いてくれた世界  トルコ語もフィンランド語も  
 ラムステッドに導かれて  ウラル=アルタイ語世界
 印欧語比較言語学と音韻法則  音韻法則を超えて
 カタテオチのカタはウラル=アルタイ共有語  中国語はhave型言語
 ロシア人を捉えて放さないユーラシア主義  東方性こそがロシアの特徴
 ユーラシア・トゥラン語圏  トゥラン主義の日本への伝播
 日本文化の基軸にかかわる漢字問題  漢字という障害物
 ドゥンガン語――漢字抜きの中国語  「漢字文化圏」の外に経つ漢語


田中 克彦[タナカ カツヒコ]
著・文・その他

内容説明

漢字は言葉ではない、記号である。漢字にオトは必要ない。どの言語でも漢字を「訓読み」できる。では周辺地域を含めた「漢字文化圏」とは自明のものなのか。歴史上の突厥・契丹・西夏・女真・モンゴル文字など漢字からの自立運動は何を意味するのか。漢字を残す日本語は独自の言語であることの危機に瀕しているのか。言語学者が読む文字と言語の関係。

目次

第1章 日本語という運命(日本語の状況;母語ペシミズム ほか)
第2章 「日本語人」論(日本人ではなく日本語人がたいせつ;バイリングアル日本語人 ほか)
第3章 漢字についての文明論的考察(「漢字文化圏」論;日本は漢字文化圏の行きどまり ほか)
第4章 「脱亜入欧」から「脱漢入亜」へ(日本は中国と「同文同種」か;中国語は日本語よりも英語に近い ほか)

著者等紹介

田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科修了。一橋大学名誉教授。専門は社会言語学とモンゴル学。言語学をことばと国家と民族の関係から総合的に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件
評価

akky本棚

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

樋口佳之

29
数年前ある政治家が「アウフヘーベン」という言葉を使って、それは哲学用語の「止揚・揚棄」の事だけど、その時ドイツ大使館(だったかな)が、アウフヘーベン は「持ち上げる」という普通の会話によく使われる言葉ですよとつぶやいていて、その時かなりショックだったことを思い出しました。母語を日本語としない人々の労働に期待せざるを得ない状況、キーボード入力が大半の毎日で読めても書けないが当たり前になっている事を思い、改めて教育漢字、常用漢字を眺めましたが、筆者の主張は目指す方向としては正しいと感じました。2019/04/04

松本直哉

24
思えば教育勅語も玉音放送も漢語ばかりでほとんどの人は聞いても意味がわからない。意味を伝えるのではなく畏れで震えあがらせて支配するのが漢字。数千字覚えたことばのエリートだけにわかる字。はじめから意味が与えられた「行きどまりの字」で、思考能力を奪う。筆者の主張の軸にあるのは、ことばはエリートのものではなくみんなのもので、みんなにつかいやすくすべきだということ。褥瘡の読み書きができないだけで外国人が日本で働けない不合理。漢字に頼った結果耳で聞いてもわからない字を見なければわからない貧弱なことばになりはてた日本語2019/06/08

まると

9
旧題「漢字が日本語をほろぼす」。なるほど、漢字は言葉としてはメリットよりもデメリットの方が圧倒的に多く、それを様々な読み方をして使いこなすことが教養なんだ、日本語の良さなのだと思い込んでいた自分が何と愚かであったことか。確かに話し言葉に表意文字なんて要らない。むしろ、文章力を衰えさせ、思考を停止させるだけだ。そう言われてぐうの音も出なかった。中国周辺諸国はおろか、本家本元の中国ですら脱・漢字を進めているというのに、日本だけがそれに固執してきたなんて。常識と思っていたことが心地よく覆される、痛快な本でした。2019/09/26

いたる

4
本書の原題は『漢字が日本語をほろぼす』であり、言語学者が漢字の功罪を問うたものである。漢字は排他的で言語共同体を分断する元凶であるという主張は、退官された大御所らしく、まさに怖いものなしだ。2020/04/18

くまさん

4
友人に紹介されて読み始めた。ちょっと,難しい感じがしたが,漢字の捉え方が今まで自分が考えたこともない「日本語を滅ぼす」という内容d去ったので,とても興味深く読めた。日本語をただ使っていればいいというスタンスではなく,複雑になっている漢字・日本語について考えてみたくなった。これから,日本語はどんな運命をたどるのだろうと思うと考えてしまった。2019/03/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12139508
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品