出版社内容情報
杉本 圭三郎[スギモト ケイザブロウ]
翻訳
内容説明
平安末期、頭角を現した平家一門。男は官界の要職に、女は貴族の妻室に収まり、確固たる地位を築いてゆく。暴走する権力に延暦寺から反発を受けると天台座主明雲を流罪に処し、鹿の谷での謀議が知れると大臣らを追放する。ついには後白河法皇までも鳥羽離宮へ幽閉―「盛者必衰の理」が発動する以前、平家が栄華を極めた巻第三までを収録。(全四巻)
著者等紹介
杉本圭三郎[スギモトケイザブロウ]
1927‐2015。国文学者。法政大学大学院日本文学専攻(修士)卒業。法政大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
45
出だしから引き込まれます。平家の栄枯盛衰の物語ですが、今のところ権力が激しく、迫力がありました。まだまだ平家の栄華は続きそうです。2023/04/22
やいっち
36
「平家物語」には読み物系と語り物系の流れがあるらしい。いずれにしろ、やはり、伝統に掉さす作品がいい。盲目の琵琶法師によって琵琶を弾きながら語られた「平曲」風が、聞き手に分かることを配慮しているようで、分かりやすい気がする。ちなみに本書の杉本圭三郎による訳がいいね。 長い作品。全四巻の一巻目を読んだだけ。今日から第二巻へ。2019/08/31
Tai
17
平清盛の悪とそれを諫める嫡男重盛の聖性。 白拍子、祇王・祇女と仏御前への仕打ち。比叡山延暦寺の天台座主明雲は伊豆国に流されることになるが途中で僧兵が引き戻す。鬼界ヶ島に流された俊寛、藤原成経、平康頼。高倉天皇と建礼門院に子ができ、男子誕生を祈る特赦でも、ただ一人戻されない俊寛は絶望の内に死に至る。善光寺炎上、彗星は凶兆。後の安徳天皇が産まれるも善なる重盛は病死する。後白河法皇も流され末法の時代は正に世紀末的。時に歴史と異なる脚色もありつつ物語が進む。血統が変わらない日本は恨み、怨念が積み重なる。2021/01/13
spica015
9
読了までかなり時間が掛かったが、どんどん面白くなってくる。史実を基に脚色を加え完成させただけあって、物語としての完成度が高い。巻第三までを収めた本巻の主役は父・清盛を諌める重盛と、流罪に処された俊寛であろう。平家の滅亡という結末を予め認識した上で読むと、聖人として描かれる重盛の死や、孤島に取り残されたままの惨めな俊寛の死が、物語の行く末を暗示するものなのがよく分かる。現代訳もついているが、訳注・解説も充実しているので、本文も必ず読んでおきたい。祇王のエピソードも良かった。2018/01/29
ちぃ
8
平家物語は壮大な構想をもった古典文芸の一つといえるでしょう。2022/12/29