講談社学術文庫<br> 興亡の世界史 ケルトの水脈

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講談社学術文庫
興亡の世界史 ケルトの水脈

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923897
  • NDC分類 230
  • Cコード C0122

出版社内容情報

アイルランドにはケルト人はいなかった! キリスト教以前のヨーロッパの基層をなした「幻の民」は、どこに住み、どこへ消えたのか?講談社創業100周年記念企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の4冊目。
ローマ文明やキリスト教以前の「最初のヨーロッパ人」はどこへ消えたのか? ストーンヘンジに代表される巨石文化、渦巻きや植物の華麗な装飾文様、妖精や小人などの伝説…「もうひとつのヨーロッパの起源」として、近年注目されている「ケルト文化」。EUなど欧州統合のアイデンティティとして、また近代西欧文明への批判として復興の気運をみせている「ケルト」の実像を、古代から現代にヨーロッパ史の中で明らかにする。
また、ケルト文化に関心を持つ多くの人々が訪れるのが、アイルランドである。それは、大陸からブリテン諸島へ移住した古代ケルト人は、ローマ人やキリスト教徒に追われてアイルランド島にのみしぶとく生き残った――と思われているからだが、最近の研究では、この「常識」が否定されつつあるという。本書では、言語学からみた「ケルト文化圏」と、歴史学からみた「ケルト人」の奇妙な関係を明らかにしていく。
そして、なぜ近代に「ケルト」は復興したのか? フリーメーソン、ナチスとの関係とは? 土着の文化は、ローマ文明やキリスト教とどのように融合し、広がっていったのか。言葉や文字は、そして文化は、いかに変容し、伝わるのか。ナショナリズムの興隆とともに語られる「民族起源としてのケルト」とは――。フランス、ブルターニュ地方の異教的な習俗や伝説の検証から始まる、異色の、そして初めての本格的「ケルトの歴史」。
[原本:『興亡の世界史07 ケルトの水脈』講談社 2007年刊]

はじめに  とりあえず、ケルトとは何か  
第一章 「異教徒の地」の信仰
第二章 巨石文化のヨーロッパ
第三章 古代ケルト人
第四章 ローマのガリア征服
第五章 ブリタニア島とアルモリカ半島
第六章 ヒベルニアと北方の民
第七章 ノルマン王朝とアーサー王伝説
第八章 ケルト文化の地下水脈
第九章 ケルトの再生
おわりに  結局、ケルトとは何か
学術文庫版のあとがき
参考文献
年表
主要人物一覧
索引


原 聖[ハラ キヨシ]
著・文・その他

内容説明

ローマ文明やキリスト教に覆われる以前に、ヨーロッパ文化の基層をなしたケルト人はどこへ消えたのか?巨石文化、異教的習俗と華麗な装飾文様、アーサー王伝説、フリーメーソンやナチスとの関係まで、古代から現代に至る異色の「ケルトの歴史」。フランス、ブルターニュ地方の歴史・信仰・言語を軸に、アイルランド中心のケルトブームを問い直す。

目次

はじめに―とりあえず、ケルトとは何か
「異教徒の地」の信仰
巨石文化のヨーロッパ
古代ケルト人
ローマのガリア征服
ブリタニア島とアルモリカ半島
ヒベルニアと北方の民
ノルマン王朝とアーサー王伝説
ケルト文化の地下水脈
ケルトの再生
おわりに―結局、ケルトとは何か

著者等紹介

原聖[ハラキヨシ]
1953年、長野県生まれ。東京外国語大学卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、女子美術大学芸術学部教授。専門は近代言語社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

109
ケルト民族の歴史とも言うべき1冊でした。ヨーロッパ民族の基礎となったケルト人はいつしか歴史からその名を消していたように思います。その理由とは何なのかを突き詰めていくと、ローマ文明やキリスト教にケルト人が取り入れられていったからだったんですね。古代から現代に至るまでの歴史・信仰・言語を軸にアイルランドを中心に考察したケルト民族。それは今にわかに注目されているケルトを改めて問うことに通じているのでしょう。2017/01/15

南北

58
ヨーロッパの中でもアイルランドやウェールズ、フランスのブルターニュ地方などに点在しているケルト文化を解説している本。「興亡の世界史」と言いながらわずかな痕跡しかないため、冒頭から民俗学的手法で語られているのはやむを得ないところだが、異論がありそうな気がする。キリスト教文化の中で異教的とみられる部分の中にケルト文化があることが認識できたのは収穫だった。2022/06/15

イプシロン

32
ケルトを知りたいなら、まずケルト以外を網羅的に知れ! そんなスタンスだけに、とにかくケルトを知りたいという人には回りくどく冗長で退屈だと感じる著作。しかし、著者の学術的探究の方法が、脱構築を用いた手法であると解る人なら、とても価値ある読書体験をもたらすだろう。普通、我々は知りたい事柄が書かれた書物から、知識を積み上げて物事を知る(足し算による探究)。しかし、この方法は現代的とはいえない。なぜなら、一部のジャンルの知識だけが増えすぎると、そのジャンルの知識は、かえって偏った極端なものになるからだ。2022/09/04

やいっち

22
アイルランドの作家たちに何処かしらケルト(の末裔)の匂いを嗅ぎ取ろうとしていた、自分の勝手な思いがあっさり覆されて、ちょっと残念に感じた。その意味で、ケルトというより、ヨーロッパに最初にやってきた人々の、キリスト教やギリシャ・ローマの思想や文化に影響され、呑み込まれる前の古層の文化の残響を辺縁の地などに見出そうというのが本書など、最新のケルト研究の意義なのだろう。いずれにしても、脈々たるケルトの水脈なんて、まして、ケルトの末裔なんて、夢の夢ってこと。2016/12/27

ルーシー

10
ケルトと聞くと幻想怪奇なスピリチュアルなものをイメージしていたが、それは「近代のケルト」で「古代のケルト」とは全くの別物であるということをこの本で知った。フランスのブルターニュ地方がケルト文化の中心というのも意外だった。イギリス・アイルランドの問題についても少し知ることができた。あんなに近い距離で何故揉めているのかと思っていたが、アイルランドとイギリス(というかブリテン島)では民族も言語も辿ってきた歴史も全然違うことがわかって、納得。2022/04/07

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