出版社内容情報
我が国最大の説話集の、本朝(日本)の世俗説話を収めた、巻二十二?三十一。その平易で読みやすい全現代語訳をコンパクトに刊行。我が国最大の説話集であり、内容の多様さも文学的興趣も群を抜く「今昔物語集」。古来我が国で「世界」を意味した三国、天竺・震旦・本朝(インド・中国・日本)の一千を超える説話を収めた三十一巻(うち三巻を欠き、現存は二十八巻)のうち、本朝の世俗説話を収めた巻二十二?三十一。その平易で読みやすい全現代語訳をコンパクトに刊行。語注も充実。下巻は巻二十七?巻三十一。
巻第二十七 本朝 付霊鬼
三条東洞院の鬼殿の霊の語、第一
川原院の融左大臣の霊を宇陀院見給ふ語、第二
桃薗の柱の穴より児の手を指し出だして人を招く語、第三
冷泉院の東洞院の僧都殿の霊の語、第四
冷泉院の水の精、人の形となりて捕へらるる語、第五
東三条の銅の精、人の形となりて堀り出ださるる語、第六
在原業平中将の女、鬼にくはるる語、第七
内裏の松原にして、鬼、人の形となりて女をくふ語、第八
官の朝庁に参る弁、鬼の為にくはるる語、第九
仁寿殿の台代の御燈油取りに物来たる語、第十
?第四十五
巻二十八
巻二十九
巻三十
巻三十一
武石 彰夫[タケイシ アキオ]
翻訳
内容説明
「今は昔」で始まる千話以上の説話を集めた日本最大の説話集。本朝(日本)に対し、天竺(インド)・震旦(中国)という、当時知られた世界全域を仏教文化圏として視野に置く。本巻にはこのうち本朝世俗説話の後半、巻第二十七~三十一を収めた。霊鬼譚、悪行譚、そして権威を笑い、たくましく日々を生きる人々の姿をユーモアに富む現代語訳で伝える。
目次
巻第二十七 本朝 付霊鬼(三条東洞院の鬼殿の霊の語、第一;川原院の融左大臣の霊を宇陀院見給う語、第二 ほか)
巻第二十八 本朝 付世俗(近衛舎人どもの稲荷詣に、重方、女に値う語、第一;頼光の郎等ども、紫野に物見たる語、第二 ほか)
巻第二十九 本朝 付悪行(西の市の蔵に入る盗人の語、第一;多衰丸・調伏丸、二人の盗人の語、第二 ほか)
巻第三十 本朝 付雑事(平定文、本院の侍従に仮借する語、第一;平定文に会いたる女、出家する語、第二 ほか)
巻第三十一 本朝 付雑事(東山科の藤尾寺の尼、八幡の新宮を遷し奉る語、第一;鳥羽郷の聖人等、大橋を造りて供養する語、第二 ほか)
著者等紹介
武石彰夫[タケイシアキオ]
1929‐2011。東京都生まれ。国文学者。専門は仏教歌謡。法政大学文学部日本文学科卒業。文学博士。高知大学教授。仏教文化研究所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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