講談社学術文庫<br> 立憲非立憲

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講談社学術文庫
立憲非立憲

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923668
  • NDC分類 313.7
  • Cコード C0131

出版社内容情報

たとえ「合憲」であっても「非立憲」であってはならない。日本の「未来」を左右する最重要の争点は、ここにある!本書の著者である佐々木惣一(1878-1965年)は、京都帝国大学で法学を学び、母校で教授を務めた憲法学・行政学の大家として知られている。
厳密な条文解釈に基づいて独自の学説を展開した佐々木は、弟子の大石義雄(1903-91年)とともに「憲法学の京都学派」と呼ばれ、東京帝大教授を務める美濃部達吉(1873-1948年)に伍す存在として「東の美濃部、西の佐々木」と称された。1933年に滝川事件が起きると、これに抗議して京都帝大を退職したように、常に「学問の自由」を重んじた人でもある。
戦後には、貴族院議員を務めるとともに、近衛文麿(1891-1945年)から依頼されて憲法改正調査にあたり、憲法草案を作成したことでも知られる。この草案は採用されずに終わったが、学問に対する姿勢を変えることのなかった佐々木は、『日本国憲法論』(1949年)、『憲法大義』(1950年)などを物した。
本書は、その佐々木惣一が「大正デモクラシー」華やかなりし1918(大正7)年に出版した著作である。ここで打ち出されている主張は、表題作「立憲非立憲」を見れば一目瞭然と言える。「政治は固より憲法に違反してはならぬ。而も憲法に違反しないのみを以て直に立憲だとは云えない。違憲では無いけれども而も非立憲だとすべき場合がある。立憲的政治家たらんとする者は、実に此の点を注意せねばならぬ」。違憲ではないか、という疑念の声が多くあげられた法案が可決され、改憲への動きが現実味を帯びる現在、「合憲か、違憲か」の対だけでは本質をつかむことはできない。本書で提示される「立憲か、非立憲か」という対こそが、日本の未来を左右する最重要の争点である。
今こそ重要性を増している本書を異彩を放つ憲法学者・石川健治氏による渾身の書き下ろし「解説」とともに送る、待望の文庫化!

国民普及版の発行に就て

立憲非立憲
一 人類の文化と我が立憲制度
二 我が憲政に対する欧米人の懐疑
三 我が日本人の悲観
四 君権行使の制限
五 立憲制度への経過
六 立憲制度と東洋の君主道
七 立憲主義の実行
八 責任の帰着
九 罷免と弾劾と辞職
十 立憲主義と議会政治
十一 違憲と非立憲
十二 憲政と我が国民性
立憲政治の道徳的意味
第一 政治の道徳的意味を考うる必要
第二 政治の影響
第三 政治と理想
第四 国家主義
第五 立憲政治と道徳的自由
第六 立憲政治と我が国民道徳
第七 政治の教育的意味
我が立憲制度の由来
一 我が憲法の最初
二 我が憲法の由来を見るの用意
三 憲法思想の発達
四 憲法制定の由来
五 由来の尊重
六 憲法と人類の生活
七 憲法に対する無頓着
現代の政治と信念






一票の投げ所
一 要は深い人情に在る
二 政見か人物か
三 政見は明瞭を要す
四 政見の合する程度
五 同じ政見ならば人物
六 国民自ら責めよ
七 利益にくらむ勿れ
八 選挙法違反ならでも不道徳
九 棄権も政治上の不道徳
十 最後の一筆
十一 選挙と第三者
憲法裁判所設置の議
一 憲法擁護の制度
二 大臣責任の実現
三 議会政治と大臣責任の制度
四 憲法裁判及び憲法裁判所
五 憲法裁判所と帝国議会
六 憲法裁判所の規定
七 憲法裁判所と我が国現時の政治思想
解説(石川健治)


佐々木 惣一[ササキ ソウイチ]
著・文・その他

内容説明

京都帝大教授を務め、東京帝大の美濃部達吉と並び称された憲法学の大家・佐々木惣一(一八七八‐一九六五年)は、大正デモクラシー華やかなりし頃である一九一八(大正七)年に、本書を世に問うた。「合憲か。違憲か」の対立だけでは問題の本質はつかめない。憲法改正が論議され始めた今、日本の未来を左右する争点はここにある。

目次

立憲非立憲
立憲政治の道徳的意味
我が立憲制度の由来
現代の政治と信念
一票の投げ所
憲法裁判所設置の議

著者等紹介

佐々木惣一[ササキソウイチ]
1878~1965年。憲法学者。京都帝国大学法科大学卒業。京都帝国大学教授、立命館大学学長を歴任し、終戦後は内大臣府御用掛として憲法改正調査の大命を受けて憲法草案を作成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤギ郎

13
佐々木惣一の著作物をまとめた一冊。解説によると,ある年の元日の朝刊の一面に佐々木による文章が掲載されたらしい。京都帝大教授という一流大学の先生であるとはいえ,元日の一面に自分の言葉を載せるほどの学者は,彼の他にはいないだろう。本書はそれほどの大物による論文集だ。「一票の投げ所」「憲法裁判所設置の議」は勉強になった。解説は読みごたえがある。注意しないといけないのは,佐々木は大日本帝国憲法を見てこれらの論文を執筆したこと。それでも,現代に通じることが多いように感じる。2018/04/13

りん

12
日本憲法学の大家中の大家による著作。立憲政治が当たり前ではなかった時代に書かれただけあって、その本来的なあり方、特質を鋭く指摘している。憲法による保護を当たり前のように享受している我々が憲法を語るとき、目先の政治的な側面に目が行きがちだが、本当に大事なのことはなんなのか、本書は痛烈に訴えかけてくる。2017/09/02

Ohe Hiroyuki

2
本書は、戦前・戦後において日本を代表する憲法学者である著者によるエッセイ集(新聞での連載記事の文庫化)である▼立憲の要諦は、国民の国家運営への参画にあると述べ、我が国の国体にも沿うものであることを力説する説明は分かりやすい。▼どのような候補に投票するべきかといった点にも触れられていて、ここまでの明け透けな物言いで大いに参考になるところである。▼解説では、生い立ちというよりは、著者の考えの遍歴などに触れるものであり、なかなかにエッジが効いた内容となっている。2021/08/06

ただの人間

1
大正デモクラシー期という時代背景的に反動的な軍閥勢力を批判するものかと思いきや、大臣や議会の責任を通じて一般国民の責任意識を立憲政治の基礎をなすものとして厳しく論じる内容。天皇の無答責という与件(このあたりの与件に対する配慮はホッブズの市民論とも似たものを感じた)から、丁寧に論理を積み上げて飛躍していく迫力ある。石川健治解説はイェリネック、吉野作造、朝永三十郎との関係など、各作品の執筆に至る思想史を辿る2020/02/29

林克也

1
佐々木惣一さんが立命館の学長もされていたということを初めて知りました。自分が40年近く前の学生の頃、他学部(いわゆる文系の学部)やその学問・思想にはほとんど興味がなかったので、佐々木先生のことを全く知りませんでした。今、猛烈に恥じています。 さて、政治屋と愚民の関係は100年前と現在とで1mmたりとも変わっていないことがよくわかりました。既視感、というか、現在と何も変わっていない。高々100年、そんな時間では人って変わらないですよね、ああ。で、今、多くの普通の人は、このような本はとても読まないですよね。 2017/12/15

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