講談社学術文庫<br> カントの時間論

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講談社学術文庫
カントの時間論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 264p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923620
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C0110

出版社内容情報

物体の運動を可能にするような客観的時間が私の「こころ」のあり方を決める時間である。『純粋理性批判』に時間論の構造を読む。西洋哲学を通じて時間に関する思索は二つの異なった道をたどってきた。一つはアリストテレスに典型であるように、時間を外的物体の運動との連関で思索する道であり、もう一つはアウグスチヌスに典型であるように、時間を記憶や予期や知覚などの「こころ」のあり方との連関で思索する道である。カントの時間論にはこの二つの道が豊かに流れ込んでいる。客観的時間が「心」のあり方を決める時間であること、それをカントはめざした。

序章・問題の提起/第一章・時間を構成する作用としての「われ思う」/第二章・時間の経験的実在性(1)/第三章・時間の経験的実在性(2)/第四章・時間の超越論的観念性


中島 義道[ナカジマ ヨシミチ]
著・文・その他

内容説明

時間に連関するすべての現象を取り込み、細部まで誠実に検討を重ねること。カントが「時間」探究において頑なに保持したのはこの姿勢であった。物体の運動を可能にする客観的時間が自我のあり方を決める時間であることをいかに精確に記述することができるのか。『純粋理性批判』全体に浸透している時間構成に関するカントの深い思索を読み解く。

目次

序章 問題の提起
第1章 時間を構成する作用としての“われ思う”(超越論的統覚;私の現存在;私の身体)
第2章 時間の経験的実在性(1)―時間構成と物体構成(「内的感官の形式」としての時間;「純粋直観」としての時間;「運動の尺度」としての時間;超越論的時間規定;(経験的)主観的時間の問題)
第3章 時間の経験的実在性(2)―時間構成と自我構成(観念論論駁;自己規定;自己触発;二重触発について;過去・未来・現在の構成)
第4章 時間の超越論的観念性(理念としての時間(1)―第一アンチノミー
理念としての時間(2)―第三アンチノミー)

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院哲学専攻修士課程修了。ウイーン大学で哲学博士号取得。電気通信大学教授を経て、現在は「哲学塾カント」主宰。専攻は時間論、自我論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バカボンのパパ

13
図書館本。こういう本は買い求めて、常に読書しないといけないと感じました。抽象的だが、読書が捗りました。2017/01/31

μέλισσα

2
『時間と死』を読み、この人の時間論がいかにしてカントから成立したのかと非常に気になり読んだ。 おそらくカントをドイツ観念論とは区別して知っている人でも、ここに出てくるカント像は驚くものでは無いだろうか(専門家では無いため、妥当性については付言しないが) これは私の素朴な感想であるが、このカント論を読んだ後ではドゥルーズというのは実はカントの正統な後継者なのではないかと思えてくる。 ともあれ、一読してすべて理解できたとは到底自認できないので、何度か読み返すことになるだろう。2025/04/05

naka

1
外的対象に関する客観的時間構成の優先度を高く評価する解釈がなるほどと思わされました。2025/03/09

静かな生活

0
Review Scores 75/1002024/02/04

パン

0
濃かった2022/08/18

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