講談社学術文庫<br> 民主主義の源流―古代アテネの実験

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講談社学術文庫
民主主義の源流―古代アテネの実験

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923453
  • NDC分類 312.3
  • Cコード C0122

出版社内容情報

民主政とはたんなる国家制度ではなく、一つの生活様式だった。その草創から廃止に至る古代ギリシア人の壮大な実験と試行錯誤を描く。現在の「民主主義」の源流の一つが、古代ギリシア、なかでもアテネの民主政に求められることは、だれしも否定できないだろう。支配者と被支配者の区別を消滅させるほどに徹底した民主政治のしくみを、2500年も以前のギリシア人はどのように創り上げたのか。そして、200年近くもの間、市民たちはどんな思いでそれを担い、守っていこうとしたのか。
ペルシア戦争の英雄でありながら、被告人として民会に引きずり出され、苛酷な罰を受けて悲惨な最期を迎えた将軍、ミルティアデス。アテネ民主政の最大の指導者、ペリクレスの計数能力と家政術と公共事業。ソクラテス、プラトンの民衆裁判への敵意と侮蔑……。民会・評議会・弾劾裁判・陶片追放など、「参加と責任のシステム」のしくみを詳細に検討しながら、試行錯誤を重ねてきた人々の歩みをたどり、時に無邪気に理想視され、あるいは衆愚政として否定されるアテネ民主政の実態を平易に描く。
ペリクレスが理想とした民主政とは、たんなる国家制度ではなく、ひとつの生活様式だった。そこではどの市民も民主政への参加を期待され、政治生活に参加しない者は無能な市民と見なされたという。「民主主義」とは何か、「政治」にいかに参加するかが問われる現在、その源流へさかのぼって考える恰好の書。
朝日新聞「論壇時評」(2015年6月25日付)で取り上げた高橋源一郎氏が推薦。
[原本:「丘のうえの民主政」1997年、東京大学出版会刊]

はじめに
第一章 マラトンの英雄とその死
裁かれる将軍/民主政は守られた
第二章 指導者の栄光と苦悩
アテネ民主政の輝き/公と私/ペリクレスの苦悩
第三章 参加と責任のシステム
民主政の舞台を訪ねて/公職者の責任
第四章 迷走するアテネ
嵐と弾劾裁判/破局
第五章 民主政の再生
新たな出発/「素人役人」の条件/司法のアマチュアリズム
第六章 たそがれ
ある市民の風貌/専門分化の波/終幕
おわりに


橋場 弦[ハシバ ユヅル]
著・文・その他

内容説明

現在の民主主義の源流は、二五〇〇年前のアテネにある。独裁者の出現を最も警戒した市民は、試行錯誤を重ねて徹底した直接民主政を創り上げた。民会で苛酷な罰を受けたペルシア戦争の英雄、ミルティアデス。ソクラテス、プラトンの民衆裁判への敵意と侮蔑。時に理想視され、あるいは衆愚政として否定された「参加と責任のシステム」の実態を描く。

目次

第1章 マラトンの英雄とその死
第2章 指導者の栄光と苦悩
第3章 参加と責任のシステム
第4章 迷走するアテネ
第5章 民主政の再生
第6章 たそがれ

著者等紹介

橋場弦[ハシバユズル]
1961年、札幌市生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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niisun

25
高橋源一郎さんの『丘の上のバカ』で興味を持ち読んでみました。“群衆による恐るべき専制支配””衆愚政”など批判的な目で見られることが多いアテネの民主制ですが、この本からは、権力の集中が生み出す専横的な支配への逆行を忌避したアテネ市民の執念が伝わってきました。如何に一人の人間に権力の集中と継続が起きないように出来るかを突き詰めた制度設計には頭が下がります。翻って現代日本では、自民党総裁の任期延長が認められる一方で、首相夫妻の名が絡む不可解な土地取引が露見するなど“民主主義”は建前の役も果たさなくなってますね。2017/03/10

風に吹かれて

17
古代アテネの直接民主制。特定の人間が権益を得ないように「公」と「私」を明確に分け、抽選で行政や裁判に携わる市民を決め、選ばれると「私」を顧みる暇はなかった。何をどう行ったか、そのためにどれだけの金額を何に使ったか、徹底した監査が行われ市民に認められないと弾劾された。  デロス同盟の盟主アテネ。周辺地域からお金を集め農作業などは奴隷が行い、アテネの成年男子は政治に勤しんだ(女性には参政権はなかった)。 →2022/01/27

ジュンジュン

15
禁欲的なキリスト教倫理観から、逆説的に利益追求を肯定する資本主義精神が生まれた、と説いたのはマックスウェーバーだったか?今から2500年前、古代ギリシアに直接民主政が生まれた。通説では「アテネ民主政はペリクレス時代に頂点に達し、ペロポネソス戦争を境に衆愚政治に陥り衰退した」。著者は否定する、こんなのは近代を古代に投影して貼り付けたレッテルにすぎないと。近代的価値観でキリスト以前に誕生した制度を眺めても、真実は見えてこない。著者は古代ギリシア人が民主制をめぐって試行錯誤した足跡を丹念に跡付ける。2022/12/03

人間

8
ペリクレスあっての民主政だと思っていたけど、その後進化していたのは初めて知った。一度寡頭制になって復活した時は民会決議よりも法を優先する取り決めになった。興味深かったのは、市民の政治への関わり方。裁判員は抽選で決めるけど、民族は人工的に組まれ特定の家柄を代表しない。贈収賄への防御策や弾劾のルールが張り巡らされてもいる。何よりアテネ市民の政治への関心の高さである。裁判を少数のエリートに任せても、人であれば買収や偏向的な考えから逃れられるわけではない。現代と比較してみるとアテネの民主政に見るべきものは多い。2020/02/04

Z

8
アテネの政治システムの仕くみ、歴史を書いた本。寡頭制の政治体制を民衆が打倒し民主主義体制をアテネは作っていった。途中独裁政治に戻っても、民主主義の再興を繰り返した。このパワーがどこから来るのか、この問いには自立の意識が強かったということしか書いてないが権力の集中化というのを防ぐことに並々ならぬ努力を注いだことがよくわかる。役員の任期制、籤引き、トウヘン追放。お金で買収されないように人数や抽選の仕方もぬかりないシステムを作り上げた。国家公務員の給与増、大臣の金銭授与。最後の文は読了後みたニュース-_-2016/01/26

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