出版社内容情報
詩『固有時との対話』に、初期論考から『共同幻想論』などの主著、最晩年の思索にまで一貫する思想の全貌を見通す、吉本論の決定版!戦後日本の思想界において、圧倒的な人気を誇り、厖大な著作をあらわした吉本隆明。著述だけではなく、インタビューや講演などをふくめ、社会現象と言っていいほどの幅広い活動で注目を集め続けた。
では、彼の思想の根本とは、どのようなものだったのか。
著者は、初期の詩集『固有時との対話』に、その思想の本質がすべて含まれているという。
詩『固有時との対話』を詳細に読み解きながら、主著である『共同幻想論』や『言語にとって美とはなにか』などの思索の本質にまで説き及ぶ、画期的な吉本論。
鹿島茂さんが、「週刊文春」誌上(私の読書日記)で激賞された力作の文庫化!
序章 見取り図
「個」という問い/詩的なものからの出発
第一章 思索の原点
一、「地獄のやうな青春の宿題」
二、純体験のかたち
三、戦争協力詩と日本的近代自我
第二章 固有時との対話
一、題名及び題辞をめぐって
二、現存の基底へ
三、存在を交換する場所
第三章 詩的思想の展開
理論としての風景/自己幻想と共同幻想の逆立/意 識の自己表出性/普遍文学という思想
菅野 覚明[カンノ カクミョウ]
著・文・その他
内容説明
厖大多岐にわたる吉本隆明の著作や活動のすべての根源は、初期の一編の詩にもとめられる。詩「固有時との対話」を詳細に徹底的に読み解き、初期の論考から『共同幻想論』『言語にとって美とはなにか』などの主著、そして晩年に至るまでの、一貫した思想を浮き彫りにした名著。近代日本の自我の問題を考え抜いた稀有な詩人哲学者の思索の本質とは。
目次
序章 見取り図(「個」という問い;詩的なものからの出発 ほか)
第1章 思索の原点(「地獄のやうな青春の宿題」;純体験のかたち ほか)
第2章 固有時との対話(題名及び題辞をめぐって;現存の基底へ ほか)
第3章 詩的思想の展開(理論としての風景;自己幻想と共同幻想の逆立 ほか)
著者等紹介
菅野覚明[カンノカクミョウ]
1956年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学教授を経て、皇學館大学教授。専攻は、倫理学、日本倫理思想史。おもな著書に、『本居宣長』、『神道の逆襲』(サントリー学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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