出版社内容情報
西欧近代文明への懐疑を投げかける深く鋭いまなざしが貫かれ、「近代」を超えうる「アジアの原理」の提示を試みる。生涯を日本美術に捧げ、著作が多く残る天心が、生前に刊行した単行本は、意外にも本著の前の『東洋の理想』、後の『茶の本』と併せて英文三部作と呼ばれる著作のみである。両書はともに学術文庫のロングセラーであり、残る本著も、本名のOkakura-Kakuzo名で書かれた原著の英文とともに収録することとした。
日本における民族意識の目覚めの過程を歴史的に論じ、東洋、ことに日本が育んできた思想や文化の特質・独自性を威風堂々たる英文で述べる。日露戦争の当時に米国で刊行された本書には、西欧近代文明への懐疑を投げかける深く鋭いまなざしが貫かれ、「近代」を超えうる「アジアの原理」の提示を試みる。
「友愛の熱情がたかまり、世界の協力が実現されたとして、そのとき、それは何を目的とするのであろうか? …富をえようと競って、真の個性はそこなわれ、幸福と満足は、たえずつのってゆく渇望の犠牲にされている。…中世の迷信から解放されたことを誇っているが、富の偶像崇拝にかわっただけのことではないのか? 」
一 アジアの夜
二 蛹
三 仏教と儒教
四 内からの声
五 白 禍
六 幕閣と大奥
七 過渡期
八 復古と維新
九 再 生
十 日本と平和
岡倉 天心[オカクラ テンシン]
著・文・その他
夏野 広[ナツノ ヒロシ]
翻訳
内容説明
本名Okakura‐Kakuzoで英語で著された本書は、日露戦争の当時に米国で刊行された。日本における民族意識の高まりの過程を歴史的に論じ、東洋、殊に日本が育んできた思想や文化の独自性を述べる。西欧近代文明への懐疑を投げかけ、「近代」を超えうる「アジアの原理」の提示を試みる。天心の大きさ、偉才を伝える香り高い翻訳と併せて読まれたい。
目次
1 アジアの夜
2 蛹
3 仏教と儒教
4 内からの声
5 白禍
6 幕閣と大奥
7 過渡期
8 復古と維新
9 再生
10 日本と平和
著者等紹介
岡倉天心[オカクラテンシン]
1862~1913。横浜生まれ。東京大学卒業。東京美術学校校長を経て、横山大観らと日本美術院を創立。ボストン美術館東洋部長として活躍
夏野広[ナツノヒロシ]
1926~1972。静岡県生まれ。東京大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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