講談社学術文庫
英文収録 日本の覚醒

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  • サイズ 文庫判/ページ数 233p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062922531
  • NDC分類 121.5
  • Cコード C0170

出版社内容情報

西欧近代文明への懐疑を投げかける深く鋭いまなざしが貫かれ、「近代」を超えうる「アジアの原理」の提示を試みる。生涯を日本美術に捧げ、著作が多く残る天心が、生前に刊行した単行本は、意外にも本著の前の『東洋の理想』、後の『茶の本』と併せて英文三部作と呼ばれる著作のみである。両書はともに学術文庫のロングセラーであり、残る本著も、本名のOkakura-Kakuzo名で書かれた原著の英文とともに収録することとした。

日本における民族意識の目覚めの過程を歴史的に論じ、東洋、ことに日本が育んできた思想や文化の特質・独自性を威風堂々たる英文で述べる。日露戦争の当時に米国で刊行された本書には、西欧近代文明への懐疑を投げかける深く鋭いまなざしが貫かれ、「近代」を超えうる「アジアの原理」の提示を試みる。

「友愛の熱情がたかまり、世界の協力が実現されたとして、そのとき、それは何を目的とするのであろうか? …富をえようと競って、真の個性はそこなわれ、幸福と満足は、たえずつのってゆく渇望の犠牲にされている。…中世の迷信から解放されたことを誇っているが、富の偶像崇拝にかわっただけのことではないのか? 」

一 アジアの夜
二 蛹
三 仏教と儒教
四 内からの声
五 白 禍
六 幕閣と大奥
七 過渡期
八 復古と維新
九 再 生
十 日本と平和


岡倉 天心[オカクラ テンシン]
著・文・その他

夏野 広[ナツノ ヒロシ]
翻訳

内容説明

本名Okakura‐Kakuzoで英語で著された本書は、日露戦争の当時に米国で刊行された。日本における民族意識の高まりの過程を歴史的に論じ、東洋、殊に日本が育んできた思想や文化の独自性を述べる。西欧近代文明への懐疑を投げかけ、「近代」を超えうる「アジアの原理」の提示を試みる。天心の大きさ、偉才を伝える香り高い翻訳と併せて読まれたい。

目次

1 アジアの夜
2 蛹
3 仏教と儒教
4 内からの声
5 白禍
6 幕閣と大奥
7 過渡期
8 復古と維新
9 再生
10 日本と平和

著者等紹介

岡倉天心[オカクラテンシン]
1862~1913。横浜生まれ。東京大学卒業。東京美術学校校長を経て、横山大観らと日本美術院を創立。ボストン美術館東洋部長として活躍

夏野広[ナツノヒロシ]
1926~1972。静岡県生まれ。東京大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

17
東洋は西洋に学ばねばならない。だが西洋は、東洋の既成知識をすて去るべき(11頁)。鎖国で外からの刺激は絶え、島国にとじこめられた日本は、因習の迷路を手さぐり。アジアの夜はもっとも暗かった(19頁)。交流を。日本人の審美眼がおとろえたのは、大名とサムライがいなくなったことが原因(30頁)。芸術あってこそ。王陽明にあって、知ることは、おこなうこと(44頁)。西洋は自由を誇るが、富を競って真の個性をそこない、幸福と満足は渇望の犠牲に(55頁)。2014/12/16

ダイキ

3
大学図書館。カバーにもある様に、夏野廣氏の訳は恐らく最も天心の悠遠な詩心を伝えている。「アジアは、精神的であればこそアジアである。だが、精神の人は、名目や外形の人ではない。彼は、どこからともなくやってきて、あのローエングリーンのように、あらわれるやいなや消え失せ、未知の国へと、神秘な探求の旅をつづけてゆく。まことの精神は、寺院の安逸や学問所の安易をすてて、孤独な浪人学者のうちに座をしめた。雪にうずもれた水仙が天の一瞥をえようと思いこがれるように、ものいわぬ魂は、春の予言をうちにひめて、じっと堪えていた。」2016/07/27

hiro

2
江戸末期、明治初期にこれだけの国際人が。その感覚は今でも通用する2014/11/05

Hitoshi Mega

1
日露戦争当時に米国で刊行。2021/08/15

trianeagle

1
こんな本が好きでごべんなざい

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