出版社内容情報
奈良本 辰也[ナラモト タツヤ]
著・文・その他/翻訳
内容説明
幕末動乱の時代、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文ら、倒幕・維新を実現する人材を育てあげ、明治維新の精神的理論の支柱と称された長州藩士、吉田松陰。『幽囚録』『対策一道』『回顧録』などの代表的著述に丁寧な語釈と平易な現代語訳を施した原典を通して迫る、至誠と行動を貫徹した時代の変革者の思想。
目次
解説 松陰の人と思想
留魂録
要駕策主意
幽囚録
対策一道・愚論・続愚論
回顧録
急務四条
書簡
著者等紹介
奈良本辰也[ナラモトタツヤ]
1913~2001。山口県生まれ。京都帝国大学文学部史学科卒業。元立命館大学教授。専門は日本近世思想史、幕末維新史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かわうそ
44
カントによれば尊敬の念は「物件に対してではなく人格に対して抱かれるものであり、他人の人格に自負が破壊される道徳法則を発見したときに起こるもの」定義されます。吉田松陰が批判者からはテロリストと呼ばれながらもいまだに一定の支持を集めているのも『丈夫見る所あり、意を決して是を為す。富嶽崩ると雖も、刀水竭くとも雖も、亦誰れか之れを移行 易せんや』(P250)という文章にも現れている彼の生き様が簡単には真似できるものではないことを誰もが思い知らされるからではないでしょうか???中でも、幽囚録と要駕策注意は面白い。2023/04/16
Yoshinori Osaka
5
先日、山口県萩市で松下村塾を見てきました。萩市では吉田松陰を「松陰先生」と呼んでます(^^)2015/06/13
あすたりすく @本の虫
1
以前から吉田松陰については勉強していましたが、彼が記した書物を読むのはこれが実質初めてです。松陰が当時何を考え、何を行ったのか、本人の言葉で知ることができました。松陰の政策に対する憤り、変革への志がまじまじと伝わってました。また、年月や様々な事件を経るに従い、彼の思想に変化が見られたことも興味深かったです。この当時、これだけの先見の明があったことには驚かされますね。2014/03/12
雪野きずな
0
小説現代に連載されていた富樫倫太郎の風の如くとNHK大河ドラマの花燃ゆを見ているので読んだ。国を思う心に感服。2015/02/14
kmiya3192
0
幕末ヨーロッパ列強の足音が聞こえる中、命をかけてこれに対して吉田松陰。その数々の書物から見えてくるその息吹を感じる。孟子の性善説を基に国家主義、統一国家を夢見た松陰の目指すべきものが見えてくる。日米通商条約により幕府がアメリカと手を組むことへの危機感から諸藩と朝廷のとるべき道を訴え、全国の攘夷派の志士へと訴えている経緯が見えてくる。2020/02/22