出版社内容情報
「お腰につけたキビダンゴ」は貧困&無価値の象徴? 竹取物語、鉢かづき、三年寝太郎、桃太郎。物語世界から中世の現実を読み出す。
竹取物語、海幸彦・山幸彦、宮廷説話、芋粥、桃太郎、物ぐさ太郎、鉢かづき……。
本書は歴史学・社会史研究の立場から神話・説話・民話という素材に接近する。
絵巻物などの絵画に隠されたシンボルを読み解く刺激的な論考は、〈物語世界〉をとおして中世の〈現実〉とそこに生きた人々の生活や意識に迫る。
新しい中世社会像の構築に貢献した先駆的研究。
【1】 神話の世界と中世
第一章 『竹取物語』と王権神話--五節舞姫の幻想
第二章 『彦火々出見尊絵巻』と御厨的世界
--海幸・山幸神話の絵巻をめぐって
第三章 巨柱神話と天道花
--日本中世の氏神祭と農事暦
補論 歴史学にとっての柳田国男
【2】 中世説話の世界
第四章 内裏清涼殿と宮廷説話
第五章 説話「芋粥」と荘園制支配--贈与と客人歓待
第六章 虎・鬼ヶ島と日本海海域史
第七章 領主本宅と煙出・釜殿
【3】 中世民話の世界
第八章 腰袋と『桃太郎』
第九章 『物ぐさ太郎』から『三年寝太郎』へ
第一〇章 秘面の女と『鉢かづき』のテーマ
あとがき
文庫版あとがき――倭国神話論のために
初出一覧
【著者紹介】
1948年、東京生まれ。1973年、国際基督教大学卒業。1975年、東京都立大学大学院人文科学研究科修了。東京大学史料編纂所助手、助教授、教授を経て、2013年に退任(2005~2007年、同研究所所長)。東京大学名誉教授。専攻は日本中世史。
■主な著書:
『中世の愛と従属――絵巻の中の肉体』平凡社、1986年
『平安王朝』岩波新書、1996年。
『中世の女の一生』洋泉社、1999年。
『黄金国家――アジアと平安日本』青木書店、2004年。
『歴史学をみつめ直す――封建制概念の放棄』校倉書房、2004年。
『義経の登場――王権論の視座から』日本放送出版協会、2004年。
『かぐや姫と王権神話――『竹取物語』・天皇・火山神話』洋泉社、2010年。
『歴史のなかの大地動乱――奈良・平安の地震と天皇』岩波書店、2012年。
内容説明
竹取物語、海幸彦・山幸彦、宮廷説話、芋粥、桃太郎、物ぐさ太郎、鉢かづき…。本書は歴史学・社会史研究の立場から神話・説話・民話にアプローチする。絵巻物など絵画に隠された「歴史」の問題を読み解く刺激的な論考は“物語世界”をとおして中世の“現実”とそこに生きた人々の生活や意識に迫る。新しい中世社会像の構築に貢献した先駆的研究。
目次
1 神話の世界と中世(『竹取物語』と王権神話―五節舞姫の幻想;『彦火々出見尊絵巻』と御厨的世界―海幸・山幸神話の絵巻をめぐって;巨柱神話と天道花―日本中世の氏神祭と農事暦;歴史学にとっての柳田国男)
2 中世説話の世界(内裏清涼殿と宮廷説話;説話「芋粥」と荘園制支配―贈与と客人歓待;虎・鬼ヶ島と日本海海域史;領主本宅と煙出・釜殿)
3 中世民話の世界(腰袋と『桃太郎』;『物ぐさ太郎』から『三年寝太郎』へ;秘面の女と『鉢かづき』のテーマ)
著者等紹介
保立道久[ホタテミチヒサ]
1948年、東京生まれ。1973年、国際基督教大学卒業。1975年、東京都立大学大学院人文科学研究科修了。東京大学史料編纂所教授、所長を経て、2013年に退職。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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