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講談社学術文庫
物語の中世―神話・説話・民話の歴史学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 477p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921992
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0130

出版社内容情報

「お腰につけたキビダンゴ」は貧困&無価値の象徴? 竹取物語、鉢かづき、三年寝太郎、桃太郎。物語世界から中世の現実を読み出す。

竹取物語、海幸彦・山幸彦、宮廷説話、芋粥、桃太郎、物ぐさ太郎、鉢かづき……。
本書は歴史学・社会史研究の立場から神話・説話・民話という素材に接近する。
絵巻物などの絵画に隠されたシンボルを読み解く刺激的な論考は、〈物語世界〉をとおして中世の〈現実〉とそこに生きた人々の生活や意識に迫る。
新しい中世社会像の構築に貢献した先駆的研究。

【1】 神話の世界と中世
 第一章 『竹取物語』と王権神話--五節舞姫の幻想
 第二章 『彦火々出見尊絵巻』と御厨的世界
      --海幸・山幸神話の絵巻をめぐって
 第三章 巨柱神話と天道花
      --日本中世の氏神祭と農事暦
  補論 歴史学にとっての柳田国男

【2】 中世説話の世界
 第四章 内裏清涼殿と宮廷説話
 第五章 説話「芋粥」と荘園制支配--贈与と客人歓待
 第六章 虎・鬼ヶ島と日本海海域史
 第七章 領主本宅と煙出・釜殿

【3】 中世民話の世界
 第八章 腰袋と『桃太郎』
 第九章 『物ぐさ太郎』から『三年寝太郎』へ
 第一〇章 秘面の女と『鉢かづき』のテーマ

あとがき
文庫版あとがき――倭国神話論のために
初出一覧

【著者紹介】
1948年、東京生まれ。1973年、国際基督教大学卒業。1975年、東京都立大学大学院人文科学研究科修了。東京大学史料編纂所助手、助教授、教授を経て、2013年に退任(2005~2007年、同研究所所長)。東京大学名誉教授。専攻は日本中世史。
■主な著書:
『中世の愛と従属――絵巻の中の肉体』平凡社、1986年
『平安王朝』岩波新書、1996年。
『中世の女の一生』洋泉社、1999年。
『黄金国家――アジアと平安日本』青木書店、2004年。
『歴史学をみつめ直す――封建制概念の放棄』校倉書房、2004年。
『義経の登場――王権論の視座から』日本放送出版協会、2004年。
『かぐや姫と王権神話――『竹取物語』・天皇・火山神話』洋泉社、2010年。
『歴史のなかの大地動乱――奈良・平安の地震と天皇』岩波書店、2012年。

内容説明

竹取物語、海幸彦・山幸彦、宮廷説話、芋粥、桃太郎、物ぐさ太郎、鉢かづき…。本書は歴史学・社会史研究の立場から神話・説話・民話にアプローチする。絵巻物など絵画に隠された「歴史」の問題を読み解く刺激的な論考は“物語世界”をとおして中世の“現実”とそこに生きた人々の生活や意識に迫る。新しい中世社会像の構築に貢献した先駆的研究。

目次

1 神話の世界と中世(『竹取物語』と王権神話―五節舞姫の幻想;『彦火々出見尊絵巻』と御厨的世界―海幸・山幸神話の絵巻をめぐって;巨柱神話と天道花―日本中世の氏神祭と農事暦;歴史学にとっての柳田国男)
2 中世説話の世界(内裏清涼殿と宮廷説話;説話「芋粥」と荘園制支配―贈与と客人歓待;虎・鬼ヶ島と日本海海域史;領主本宅と煙出・釜殿)
3 中世民話の世界(腰袋と『桃太郎』;『物ぐさ太郎』から『三年寝太郎』へ;秘面の女と『鉢かづき』のテーマ)

著者等紹介

保立道久[ホタテミチヒサ]
1948年、東京生まれ。1973年、国際基督教大学卒業。1975年、東京都立大学大学院人文科学研究科修了。東京大学史料編纂所教授、所長を経て、2013年に退職。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maqiso

2
中世日本の説話や民話と絵画から、当時の文化や思想を読み取れる。鬼と虎の関係に島国的な思考が表れていたり、腰刀と太刀の移り変わりが民話や庶民の絵から分かるのが面白い。手法は一貫しているが、内容がやや雑多な感じもする。2019/06/25

わ!

1
著者の切り口が面白い。例えば「竹取物語」と五節の舞をシンクロさせるなんて、驚きだ。確かにこの「竹取物語」が何の目的で書かれたか、当時どのように読まれたかを考えると面白い。つまりは「物語」の機能を取り出そうというのである。確かに現代でこそ、物語…つまり小説は、ある意味「娯楽」がほとんどだろうが。当時…つまり中世にあって、紙すら、超高級品の時代にあって、しかも写本でしか広まらない世にあって、「物語」がどのような役割を担ったか…は、重要なポイントだ。間違いなく、現代とはまるで違った意味合いを持っていたのだろう。2013/10/27

ノルノル

1
・柳田民俗学に歴史学がどう向き合うかの試み。 ・説話、物語の読み込み方は比較に参。2018/08/07

kinaba

1
ふむ2014/02/01

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