講談社学術文庫
フライ・フィッシング

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921565
  • NDC分類 787.1
  • Cコード C0176

出版社内容情報

『釣魚大全』に並ぶアングラーの為のバイブル。緑深き自然のなかで擬餌針にとらえられた銀鱗が宙に舞う。最良の釣り随筆を味読する。読者は川岸での純潔な悦びと静思の愉しみを伝えられ、感染し、ほのぼのと心のほぐれをほどかれる……真に重要なのは人と作品にある感情の魅力であり、気品である……まったくそのとおりである。その言葉をそのまま卿の著作についても贈呈したい。――<開高健の巻頭言より>

この本は、べつにフライに興味や知識や経験のない人でも味得できるように書かれている。卿その人が序文に書いているように、釣りの技や道具の解説よりも大事なことは読者と釣りの悦びそのものを……共感しあえるように書くことである。……たちどまりしつつもどうしても最後の頁まで読みとおさずにはいられないという本も読んで頂きたい。――(開高健)

美しい草原と木立、水面に映える光、川の流れのささやき……。月日が過ぎ去っても、これらは絶えず眼に浮かんで、われわれを喜びで満たしてくれる。そして、思い出に残る環境の中へ逃げ帰りたいという熱望にわれわれを駆り立てる。そこで、釣りのための暇をつくる。釣りそのもののためでもあるが、そればかりではない。春あるいは夏の美しさを誇っているにちがいない、その選ばれた場所をふたたび訪れずにはいられないからだ。――<「第一章 はじめに」より>

※本書の原本は、1991年、ティビーエス・ブリタニカより刊行されました。

心の根拠地――グレイ卿の人と作品 開高健
第一章 はじめに
第二章 ドライ・フライ・フィッシング
第三章 ドライ・フライ・フィッシング(続)
第四章 ウィンチェスター学校
第五章 ウェット・フライの鱒釣り
第六章 シー・トラウト釣り
第七章 鮭釣り
第八章 釣り具について
第九章 鱒の養魚に関する私の実験
第十章 若き日々の思い出
エドワード・グレイとの奇縁――訳者あとがきに代えて
原本付記
地図


エドワード・グレイ[エドワード グレイ]
著・文・その他

西園寺 公一[サイオンジ キンカズ]
翻訳

開高 健[カイコウ タケシ]
監修

目次

はじめに
ドライ・フライ・フィッシング
ウィンチェスター学校
ウェット・フライの鱒釣り
シー・トラウト釣り
鮭釣り
釣り具について
鱒の養魚に関する私の実験
若き日々の思い出

著者等紹介

グレイ,エドワード[グレイ,エドワード][Grey,Edward]
1862‐1933。ロンドン生まれ。オックスフォード大学中退。イギリスの政治家・鳥類学者。1885年より政界入り、1905‐1916年は、イギリス外務大臣。1928年より没するまで、オックスフォード大学総長

西園寺公一[サイオンジキンカズ]
1906‐1993。東京高等師範付属中学校を経て、オックスフォード大学卒業。第一期参議院議員などの要職を歴任後、1958年より12年余北京に滞在、日中国交回復にも貢献(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うた

7
稀に見る好著。表紙を一見し、すこし立ち読みし、これはと思える本に出会うことは幸運である。私は川釣りの経験はないが、読んでいる間、手に魚の引きの感触がよみがえってきて、たまらなくなってしまった。趣味人ここに極まれりという感である。2015/01/23

qee

6
鱒ってまるで人間のような知恵を持っていて、釣り人を欺くような行動を取る。本当にそうなのかはわからないけど、そういう書き方がされている。これは釣り人の実感なんだろう。釣りとは魚との闘いなわけだ。これは一度体験してみたいと思った。その後続けるかどうかは別として。 2015/12/14

パスフィ

6
釣りには詳しくないので、場面が想像しにくかった。読み進めていくうちに少しずつ思い描けるようになっていったが、もちろん実際の釣りの現場とは違ったイメージなんだろう。それでも読んでて楽しかったけどね。フライフィッシングはエサで魚を釣らない。テクニックで釣るやり方だ。自分も挑戦してみたくなった。2015/11/30

watson

0
アマチュアリズムの精華。仕事、休養、趣味の三位が優れた仕事を産み、余技としての趣味もまた素晴らしいものとなる。彼の国の詩人によって想い人の美しさにも例えられたイングランドの夏、そこでの釣りを語る項は、想像される情景のあまりの美しさに耐えかねるほどだ。簡明な文と気取りのなさが、著者の高潔で優れた人格を伝える。こういう文でこそ対象の魅力が共有できようと言うものだ。2016/02/20

ベイグルサンド

0
けれんみがなく、釣りの説明を淡々と繰り返している。体験記的なおもしろさはまったくなかった。釣りが好きな人は楽しめるのかもしれない。 2015/12/06

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