講談社学術文庫<br> 新井白石「読史余論」現代語訳

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講談社学術文庫
新井白石「読史余論」現代語訳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921404
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0121

出版社内容情報

江戸中期の大知識人の代表作。天皇と武家の確執、信長・秀吉の天下統一を描き、徳川幕府の正統性を主張した先駆的史論を現代語訳で。江戸期の大知識人による先駆的な歴史研究
天皇家の衰退から秀吉の天下統一への過程を実証的に描き、徳川政権の正当性を主張。
独自の歴史観を読みやすい訳文で。

「正徳の治」で名高い大儒学者による歴史研究の代表作。古代天皇制から、武家の発展を経て江戸幕府成立にいたる歴史を九変・五変に時代区分して論じ、徳川政権の正当性を主張する。天皇家や源頼朝、足利幕府への客観的で冷徹な評価、為政者の不徳と失政に対して天命が革まる「易姓革命」への警鐘など、実証的で先駆的な史論の現代語訳。(解説・藤田覚)

おおよそこれらの人びとのふるまいは、どう考えても大臣らしい行いとはいえない。思えば、よくよく恥を知らぬ人びとであった。(中略)世の中がすこしでも平穏になると尊位厚禄にあぐらをかき、武士をまるで奴婢や雑人のようにしか思わず、世間が乱れたときにはこそこそするばかりで、一人として身を投げだして忠功をはげむ者もいなかったのは、公家と僧徒だけ。まことに国家の害毒というのは、こういう連中のことをいうのであろう。だから、天道は、天に代わって功を立てる人に報いるのが道理ゆえ、その後に武家が世を治めたのも、理由のあることだと考える。――<本書第三巻より>

※本書の原本は、1969年、「日本の名著 15『新井白石』」として、中央公論社より刊行されました。本書は、中公バックス版「日本の名著 15」(1983年刊)を底本としました。

第一巻 総論 日本の天下の大勢は、九度変化して武家の治世となり、武家の治世がまた五度変化して、当代にいたったこと
第二巻
古代には征伐が天皇の手で行われたこと
中世以来、将軍の職が世襲となったこと
源頼朝父子三代のこと
北条が代々天下の権をつかさどったこと
後醍醐天皇の中興政治のこと
第三巻
足利殿が北朝の天皇を立てたこと
室町家代々の将軍のこと
信長の治世のこと
秀吉の天下のこと
訳者あとがき
解説(藤田覚)


横井 清[ヨコイ キヨシ]
翻訳

内容説明

「正徳の治」で名高い大儒学者による歴史研究の代表作。古代天皇制から、武家の発展を経て江戸幕府成立にいたる歴史を九変・五変に時代区分して論じ、徳川政権の正当性を主張する。天皇家や源頼朝、足利幕府への客観的で冷徹な評価、為政者の不徳と失政に対して天命が革まる「易姓革命」への警鐘など、実証的で先駆的な史論の現代語訳。

目次

第1巻(総論 日本の天下の大勢は、九度変化して武家の治世となり、武家の治世がまた五度変化して、当代にいたったこと)
第2巻(古代には征伐が天皇の手で行われたこと;中世以来、将軍の職が世襲となったこと;源頼朝父子三代のこと;北条が代々天下の権をつかさどったこと;後醍醐天皇の中興政治のこと)
第3巻(足利殿が北朝の天皇を立てたこと;室町家代々の将軍のこと;信長の治世のこと(天正元年から同十年まで)
秀吉の天下のこと)

著者等紹介

横井清[ヨコイキヨシ]
1935年、京都市生まれ。立命館大学大学院修士課程修了。部落問題研究所、京都市史編さん所などに勤務したのち、花園大学助教授、富山大学教授、桃山学院大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

18
『神皇正統記』は、人材採用の際に、徳行を検討し、同程度なら年功あるほうを採用(47頁)。亀の甲より年の劫。今や中年排除ときたもんだ。平氏都落ちで一院(後白河院)を都を離れさせ、義仲が頼朝と戦うとき、西方に脱出していたら、頼朝軍はどんな名目で義仲討伐、平氏滅亡できたか(53頁)。泰時は、心正しく、政治まっすぐ、人を育て、物に驕らず、公家を大切に、本所の迷惑を取り除いたから、静まった(131頁)。義満治世41年で、安定していたが、世間の憂苦、諸大名の怒りや恨みも(266頁)。2014/12/16

feodor

8
この本は第一巻は総論のみで第二巻・第三巻をメインで訳しているという。なるほど、武家の歴史の部分がメインなようだが、なかなかおもしろかった。鎌倉期から織豊期までを描いたものだけれども、とくに室町の歴史が編年的に記されていると、室町の将軍と鎌倉殿の関係がかなり微妙な状態というのが見えておもしろい。ところどころに評伝が挟まれるが、この評伝の辛いこと辛いこと。この伝でいくと、武家政権ってもの自体、ダメなんじゃないか、という感じすらする。織豊政権に対してはとりわけ前政権にあたるため辛い。2013/02/27

山河童

1
つまんねぇーよ?マジで(*_*)私の読解力不足が大きいのはわかるけども、大変やった…でもプレゼンうまくいってよかった

Masayuki Shimura

0
[転政の理]歴史の教科書で著作名だけ覚えた記憶があったのですが、読んでみるとあまりに膨大かつ長大な歴史記述に驚かされました。訳者あとがきにもありますが、現在に比して入手可能な資料が限られる中での著述だったことを考えれば、その精緻な日本史に関する知識には敬服を覚えるほかありません。今日の言葉を用いれば、新井白石をして「再構築」された日本史が,どのような流れを湛えているかを知ることができる点が本作の妙かと思います。2017/05/01

いもせやま

0
江戸時代屈指の知識人にして儒家 新井白石が記した実証的な史論。白石の儒家的な天道観による天命思想、易姓革命論を用い、歴代武家・公家の政治批判を行っている。将軍家宣に対し奢侈傾向が強まる徳川王朝の警鐘を行っている。本書は、第一巻の「九変(王朝政治)・五変(武家政治)」の王朝革命論が有名であるが、歴史書としては白石以前の歴史書の踏襲が多い。見るべき点は統治者を白石自身が「評」を行っていることだろうか。白石の意見で興味深かったのは以下の点(コメントに)2015/05/24

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