出版社内容情報
デカルトの〈永遠真理創造説〉とは何か。書簡から『省察』まで詳細によみながら、通説を排し、彼の形而上学誕生の道筋を描く力作
デカルトの〈永遠真理創造説〉とは何か。書簡から『省察』まで詳細によみながら、通説を排し、彼の形而上学誕生の道筋を描く力作
【著者紹介】
1944年生まれ。東京大学哲学科卒。現在、東洋大学教授。専攻は哲学。とくにデカルト研究は高く評価されている。
内容説明
「私はあり、私は実在する」という認識は、「すべての認識のうちで最も確実で最も明証的」である。―近代哲学の父ともいわれるデカルトのこの哲学とは、いったい何なのか。神の存在証明とは?書簡・小篇から主著『省察』まで、細密に読み解き、デカルトの形而上学が成立した道筋を詳細に辿り、その本質を「観念」論としてとらえた画期的力作。
目次
第1部 先入見の排除(「形而上学の小篇」と「永遠真理創造説」;三〇年の永遠真理と形而上学)
第2部 感覚から観念へ(『宇宙論』における「観念」;「屈折光学」における「観念」;「方法序説」「第四部」における「観念」説)
第3部 形而上学の成立(『省察』について;疑いの道;人間精神について;形而上学の立論;真と偽の成り立ち;「観念」論としての形而上学)
著者等紹介
村上勝三[ムラカミカツゾ]
1944年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。東洋大学文学部教授。文学博士。専攻は哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瀬希瑞 世季子
2
思うことが実在の証として掴まれるのが身体で、広がりであることが実在の証として掴まれるのが心であり、それは分離しているのではなく、実在の掴まれ方が異なるだけである。精神と物体の二元論ではなく、神/(精神/物体)として捉えよということなのかな。半分も理解できてない気がするが、「誤りうる私」という所から、責任主体の生成にどれくらいデカルトが使えるのか考えてみたくなった。2023/01/21
れ
0
〈流〉◎2016/01/24
ハンギ
0
デカルト研究についての現代的な良書。序盤でアルキエ、グイエ、レヴィス、マリオンをなで切りにしており、面白かった。内容的には永遠真理創造説、世界論、方法序説と三試論、それと書簡を扱っているのが前半で、後半は「省察」の第一から第四までを範囲にしている。最後にデカルト形而上学の誕生をみている。細かいところは追いきれてないけど、「省察」の前半部分をデカルト形而上学としているのは正しいと思う。むしろどうして今までなかったんだろう。主に「観念」について書いていて、この細やかさは確かにすごいなと思いました。2012/10/15
つんどかー
0
内容が難しかったが、わからないなりに読み切った。思考についてはともかく、文章はかっこいいです。2023/12/10