講談社学術文庫<br> 朝鮮儒教の二千年

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講談社学術文庫
朝鮮儒教の二千年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 603p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920971
  • NDC分類 129.1
  • Cコード C0122

出版社内容情報

東アジア、精神の古層。あのとき東方礼儀之国で何が起きていたのか?朝鮮=儒教か?二千年にも渡る儒教の展開を描いた記念碑的著作。

朝鮮における儒教の二千年にもおよぶ展開を丹念に描き出し、朝鮮近代思想史につなげる論考を展開した記念碑的大著。中国・日本と対比しながら二千年を俯瞰し、朝鮮の独自性と東アジアの普遍性を浮き彫りにする。儒学を経世実用の学とみなした潮流を確認・追跡し、そうした流れを摘み取ってしまった過程として朝鮮王朝期の党争を描き出す記述は、朝鮮のみならず東アジアにとっての<近代>を考える出発点となる。

序  章 「儒教」とは何か
第 一 章 孔子以前の「箕子朝鮮」
第 二 章 三国時代の儒教
第 三 章 後期新羅の儒教
第 四 章 高麗王朝の「仏教立国」
第 五 章 成宗の崇儒政策と崔承老
第 六 章 私学十二公徒と国子監
第 七 章 文身の退廃と武臣政権
第 八 章 朱子学の伝播と排仏論
第 九 章 易姓革命――高麗から朝鮮へ
第 十 章 「儒教立国」のブレーンたち
第十一章 教育と科挙、そして王朝実録
第十二章 王朝政治の守成――世宗と世祖
第十三章 士林派の形成と士禍
第十四章 朱子学一辺倒と性理学論争
第十五章 東アジアの動乱と朝鮮
第十六章 「崇明排清」の思想
第十七章 英祖・正祖時代の実学派
第十八章 ウェスタン・インパクトと朝鮮
終  章 王朝の斜陽――鎖国から開国へ
あとがき
学術文庫版あとがき
人名索引

【著者紹介】
1926年、朝鮮・済州島生まれ。文学博士(京都大学、1981年)。
大阪市立大学講師、花園大学教授を歴任。朝鮮近代史・思想史研究家。
○著書:
『朝鮮近代史研究』(日本評論社)
『朝鮮の攘夷と開化』(平凡社/『姜在彦著作選』収録)
『朝鮮の開化思想』(岩波書店/『姜在彦著作選』収録)
『近代朝鮮の思想』(未来社/『姜在彦著作選』収録)
『西洋と朝鮮』(朝日新聞出版)
『「在日」からの視座』(新幹社)
『金日成神話の歴史的検証――抗日パルチザンの<虚>と<実>』(明石書店)
『朝鮮近代史 増補新訂版』(平凡社)
『歴史物語 朝鮮半島』(朝日新聞出版)
『姜在彦著作選』1~5巻(明石書店)
○共著:
姜在彦・竹中恵美子(自伝)『歳月は流水の如く』(青丘文化社)。
○訳書:
申維翰『海游録――朝鮮通信使の日本紀行』(平凡社東洋文庫)
洪錫謨『朝鮮歳時記』(平凡社東洋文庫)

内容説明

朝鮮における儒教の二千年にもおよぶ展開を丹念に描き出し、朝鮮近代思想史につなげる論考を展開した記念碑的大著。中国・日本と対比しながら二千年を俯瞰する視角は、朝鮮の独自性と東アジアの普遍性を浮き彫りにする。儒学を経世実用の学とみなした潮流を確認し追跡する記述は、朝鮮のみならず東アジアにとっての“近代”を考える出発点となる。

目次

「儒教」とは何か
孔子以前の「箕子朝鮮」
三国時代の儒教
後期新羅の儒教
高麗王朝の「仏教立国」
成宗の崇儒政策と崔承老
私学十二公徒と国子監
文臣の退廃と武臣政権
朱子学の伝播と排仏論
易姓革命―高麗から朝鮮へ
「儒教立国」のブレーンたち
教育と科学、そして王朝実録
王調政治の守成―世宗と世祖
土林派の形成と士禍
朱子学一辺倒と性理学論争
東アジアの動乱と朝鮮
「崇明排清」の思想
英祖・正祖時代の実学派
ウェスタン・インパクトと朝鮮
王朝の斜陽―鎖国から開国へ

著者等紹介

姜在彦[カンジェオン]
1926年、朝鮮・済州島生まれ。文学博士(京都大学、1981年)。大阪市立大学講師。花園大学教授を歴任。朝鮮近代史・思想史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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isao_key

10
朝鮮の歴史の中で、学問の受容がどのように行われてきたか、変遷を追って書かれた力作。厚い本だが、飽きさせず読み応えがある。朝鮮での学問といえば、儒教、特に宋学、朱子学を指すことが多いが、本書では仏教や科挙などについても説明している。高麗文化を代表する者が、新羅と同じく仏教であったが、開祖たちは優れた儒者でもあった。1876年に金綺秀を正使とする修信使たちが訪日した際に、日本では文明開化を推し進めているその時期に、「我が国の学問は、500年来ただ朱子あることを知るのみ」と述べ、小中華の上に胡坐をかいていた。2016/06/28

きさらぎ

4
朝鮮には建国神話後半、紂王の叔父箕子が、武王により封じられて朝鮮を治めた、とある。朝鮮の儒者は、自国は孔子以前に「聖王の道」が伝わった「王道の国」=「小中華」であると主張したという。三国時代から新羅による統一と分裂、高麗を経て李氏朝鮮へ。高麗の仏教を重んじたが、貴族以外からの人材登用のため唐に倣い科挙を導入した。それを引き継いだ李氏朝鮮は、中国が異民族支配を受けていた元代、中華思想としての朱子学を受容するが、次第に朱子学以外の思想は陽明学・仏教・キリスト教など全て「邪学」とするまでに先鋭化する。2015/12/12

釈聴音

1
朝鮮王朝の「政治文化」を理解する上でも、朝鮮半島における儒教の受容のされかたを知ることは非常に有意義である。特に重要な点は朝鮮では陽明学がほとんど受け入れられなかったことであろう。2012/12/22

わたぼう

0
★8/102018/10/17

ELW

0
「壮元」とありますが「状元」だと思うんですが、朝鮮半島ではそうだったんでしょうか。箕子朝鮮の曰くからの 儒教の歴史。カエサルの「人は自分が見たいように見る」でしたっけ、流血の性理学者たちの権力争いは興味深かった。老論派とか懐かしい。映画『永遠なる帝国』を観ておいてよかった。2018/03/09

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