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講談社学術文庫
自死の日本史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 690p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920544
  • NDC分類 368.3
  • Cコード C0121

出版社内容情報

日本精神の光輝と陰影を描き出し、日本人の「運命への愛(アモール・フアテイ)」を讃える
フランス最高の知性が透徹した眼差しで、日本二千年の歴史伝統に迫る

意志的に選び取られた死=自死。記紀と『万葉集』にある古代人の殉死に始まるこの風土の自死史。道真の怨霊、切腹の誕生、仏教と自死の関係を問う。『葉隠』『忠臣蔵』に表出する武士道精神と近松、西鶴が描く心中とは何か? そして近代日本が辿った運命を、芥川、太宰、三島らの作品に探る。自殺大国の謎を西欧知性が論理と慈愛で描く「画期的日本文化論」。

死の誘惑を断ち切って生き続ける力が、自分にはあるのだということを日本民族は示した。生を、平和を、労働を、日本は選んだのである。(中略)何世紀にもわたってこの日本列島の男たち、女たちを<意志的な死>に誘(いざな)ってきたさまざまな道筋を注意深く観察した結果、わたしは今でははっきりとこう言うことができる――日本人の持つあらゆる徳のなかでもひときわ優れて美しい徳はその生命力である、と。――<「日本版への序」より抜粋>

※本書の原本は1986年、筑摩書房より刊行されました。

日本版への序
凡例
第一章 カトーの≪ハラキリ≫
第二章 自殺の統計学
第三章 自殺社会学の歩み
第四章 兆候としての自殺
第五章 歴史の曙
第六章 暴力の失効
第七章 武芸そして死の作法
第八章 捨身
第九章 残酷の劇
第十章 愛と死
第十一章 自己犠牲の伝統
第十二章 奈落の底まで
第十三章 ニヒリズム群像
第十四章 三島的行為


モーリス・パンゲ[モーリス パンゲ]
著・文・その他

竹内 信夫[タケウチ ノブオ]
翻訳

内容説明

意志的に選び取られた死=自死。記紀と『万葉集』にある古代人の殉死に始まるこの風土の自死史。道真の怨霊、切腹の誕生、仏教と自死の関係を問う。『葉隠』『忠臣蔵』に表出する武士道精神と近松、西鶴が描く心中とは何か?そして近代日本が辿った運命を、芥川、太宰、三島らの作品に探る。自殺大国の謎を西欧知性が論理と慈愛で描く「画期的日本文化論」。

目次

カトーの「ハラキリ」
自殺の統計学
自殺社会学の歩み
兆候としての自殺
歴史の曙
暴力の失効
武芸そして死の作法
捨身
残酷の劇
愛と死
自己犠牲の伝統
奈落の底まで
ニヒリズム群像
三島的行為

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねね

12
本当に凄いんですよ、この本!第4章までは、キリスト教圏と日本との文化の差による「自死」への意識の差や、原因について主に述べていて、興味深くもそれほどの感銘は無かったのですが(出版がやや古いというのもあり)。5章を超えた所からが本当に凄い。日本史をよくぞここまで研究しつくしたなぁって感動した。古事記から始まり、三島由紀夫の死に至るまでの、日本におけるありとあらゆる死について研究し尽くした書。武士の切腹の話もまた、凄いんですよ…鎌倉時代に端を発してるようです。平家物語や源氏物語も原文引用あり。2015/04/08

さんとのれ

5
キリスト教的価値観から自殺は悪と決めつけられていた西洋と違い、日本においては救済、復讐、名誉などのために「意志的な死」は選ばれてきた。命と引き換えにしてたどり着きたい場所がどこなのかという問いは人間にとって普遍的な問題だと思うけれど、それでも背景にある文化の違いによって大きく異なってくるようだ。時間をかけてじっくり読みたい本だったけど、なかなかパワフルで一気に読めてしまった。2016/01/13

傷だらけのミズノ

5
注意深く読んでいけば、筆者が非常に冷静な目で、日本の文化、そして自殺をマイナスとして取らなかった考え方を様々な角度から指摘しているのがわかる。のちに、なんとなく、自殺は悪いこと、と日本人は考えるようになるが、その理由が実はキリスト教由来のものであると、筆者が持ち出すキリスト社会との比較によって描き出されている。この比較は現在の日本人が持つ常識に、キリスト教由来あるいは仏教由来のものが非常に多くあることも気づかせる。この本を読むに当たっては、各章の骨となる論点を注意深く見出すこと、余計な回り道に見える話がど2013/04/24

冬至楼均

3
戦争は自殺を減らすと言う事実は重い。2015/07/26

冬至楼均

2
自殺を軸にした日本文化論。日本人以上に、いや日本人では無いからこそ書けるのかも。2011/11/27

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