講談社学術文庫<br> チーズのきた道

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講談社学術文庫
チーズのきた道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920131
  • NDC分類 648.18
  • Cコード C0143

内容説明

「乳の生化学」の第一人者が明かす、チーズの起源と分類法、そしてそれらを育んだ風土。栄養価が高く保存性に優れたチーズを、各地の部族は、その存亡をかけて育ててきた。モンゴルのホロート、古代ローマのチーズ菓子、フランスのカマンベール、日本の酥など、古今東西の文献を渉猟し、乳文化を実地に探訪。「人類にとっての食文化」に考察は及ぶ。

目次

チーズ学事始め
チーズ文化の起源
ヨーロッパ史のなかのチーズ文化
アジアの乳文化
日本のチーズ変遷
「食べる」からみた乳とチーズ

著者等紹介

鴇田文三郎[トキタフミサブロウ]
1920年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。ミルク化学専攻。農学博士。信州大学教授、東京農業大学教授を経て、信州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tsubomi

6
2017.12.26-2018.01.08:乳製品がどう発生してどう広まり、どう維持されてきたかというのを、言語学や文献から考察した本。著者は農学系の学者のようで人文系は必ずしも得意でも専門でもないようなのですが、「チーズ」という単語の各国間の違いから考察したりしている点などはユニーク。やや散漫な書き方をしているのでわかりにくい部分もありましたが、風土に根差した食文化の成り立ちと波及の仕方について考えさせられる内容。日本にも早い段階で乳製品が導入されたのに廃れてしまったのはなぜか?など興味深かったです。2018/01/08

テキィ

6
鴇田先生のご年齢を考えれば、当然というか、むしろ当時としては先進だったのかもしれないが、西洋文化や歴史への認識が、ちょっと戦前的かなと感じる。本来、生乳防腐のための技術が、味を追及する過程で防腐に反する道へ発展することを懸念されている。文脈としてはわかるが、それも文化ではないのかな。チーズ好きとしては押さえておきたい本ではある。2010/12/19

たく

2
表紙のセンスが良すぎる!てな訳で読んでみた。チーズを含む乳食品のきた道をイロイロな角度から検証しているのが面白かった。とくに、日本の乳の利用については前から興味があり参考になった。原書が古いのでアタマから信じる訳にはいかないが、なかなか楽しかった。2010/12/17

メロン泥棒

2
オリジナルは1977年刊。2010年に講談社学術文庫より復刊。この本が書かれた当時はチーズの消費量は今の4分の1、ナチュラルチーズに至っては18分の1。まさに日本におけるチーズ本の先駆けとなる1冊。乳化学の専門家である著者であるが、チーズの科学的な分類から文化人類学的な考察まで幅広く扱っている。意外と古くて新しいチーズの起源など、意外な発見も多数ある。とにかく読めばチーズが食べたくなる。2010/10/05

寺内町亭小天狗

0
漫画本『美味しんぼ』を購読していますと、チーズについての話が登場する。定義は、「乳、クリーム、脱脂乳または部分脱脂乳、バターミルク、このいくつか、あるいはすべてを混合凝固させた後、排水させて得られた新鮮な、または熟成した液状でない製品をいう」としている。「排水」していない製造過程はチーズではないという。また、日本においては、最初はチーズは朝廷の独占的な食べ物で、庶民は口にすることができなかったようです。さらに、醍醐味という醍醐の意味の由来に触れている。思わず、ガッテン!と納得した。一読する価値あり、です。2013/11/06

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