親鸞 完結篇〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 347p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062910101
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

構想10年・連載開始から6年、全国37紙掲載の超大型新聞連載がついに完結!信心と家族の間で揺れ動く、人間親鸞の生涯とは。最初の作品『親鸞』(2008年9月1日?2009年8月31日連載)では、京都を舞台に比叡山で修行に励みつつ煩悩に苦しむ、8?35歳の若き日の親鸞が青春群像劇として生き生きと描かれました。次に前作『親鸞 激動篇』(2011年1月1日?12月12日連載)。越後へ追放され、そして関東を流浪する親鸞。土地の人々と交わるなかで、師の教えに追いつき追い越そうと苦悩する、36?61歳の姿が活写されました。そして待望の第三部では、親鸞は京都へ帰還します。最も多くの業績を残したといわれる61歳から90歳までの、師を超えていく聖人の軌跡が、活気あふれる群像劇として綴られるのです。

雪の日の対話
妙禅房からの誘い
父と子の対話
送りツブテの日
期待と失望
星をかぞえて
影の世界
涼の立場
東国からの噂
網を引くとき
ツブテの遺言
針木馬の館
回想の人びと
せまりくる足音
竜涎香の香り
夢まぼろしのごとく
群集と争乱
心なえる日々
大火に追われて
季節のうつろい
夜中に現れる者
善法院の日々
自然に還る
九十年の歳月
あとがき


五木 寛之[イツキ ヒロユキ]
著・文・その他

内容説明

信心と家族愛の間でゆれ動く、親鸞の真の姿―。東国へ向かった息子と、地元の弟子たちとの対立とは!

著者等紹介

五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年福岡県生まれ。戦後朝鮮半島から引き揚げる。早稲田大学文学部ロシア文学科中退。’66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、’67年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、’76年『青春の門』で吉川英治文学賞を受賞。’81年から龍谷大学の聴講生となり仏教史を学ぶ。代表作は『朱鷺の墓』『戒厳令の夜』『風の王国』『蓮如』『百寺巡礼』『大河の一滴』など。ニューヨークで発売された『TARIKI』は’01年度「BOOK OF THE YEAR」(スピリチュアル部門銅賞)に選ばれた。また’02年度第50回菊池寛賞、’09年NHK放送文化賞、’10年、長編小説『親鸞』で第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

178
斯くて悪人・愚禿親鸞は浄土へ旅立っていった。親鸞三部作全六冊、堂々の完結。老いて自然(じねん)に痴愚へ還る。老いとともに頭の働かなくなることは、死よりもおそろしいとおもっていたけれど、その恐怖が、完全に消えるわけではないにせよ、少しだけ軽くなったような気がする。仏道とは距離を置きながらも、最期まで献身的に親鸞を支える末娘の覚信がよかった。家族にも厳しく冷たいのは、親鸞さまがひとではなく阿弥陀仏そのものだから。もっとも近くにいたからこそ見えた、聖人の誕生。次第に静かに穏やかになっていく終わり方もよかった。⇒2023/06/02

それいゆ

72
親鸞の教えにはキリスト教の教義と重なる部分が数多くみられます。一言で言えば「人間皆平等」ということなのでしょう。この作品は作者も言っているように作り話です。本当の親鸞がどんな人物であったのかは想像するしかないのですが、夫婦とは?親子とは?家族とは何か?について深く考えさせられました。弟子たちも子どもたちも区別なく同じように接していますが、これも平等ということなんでしょうか?息子を人に預け、長年にわたって妻とも離れた生活をしていることがどうしても理解できない部分です。2014/11/14

へロム

69
激動編までのワクワク感はあまりありません。息子の善鸞を義絶したり、専修念仏派の竜夫人と専修念仏停止派の覚蓮坊とのやり取りなど親鸞を取り巻く人々のくだりは面白いが、当の親鸞の動きが少なく黙々と執筆などに日々を過ごす。しかし、迷いながらもその淡々とした親鸞の姿勢が多くの弟子に支えられ、専修念仏の普及に繋がったのであろう。少し物足りなさを感じますが傑作だと思います。【図書館本】2015/01/07

Willie the Wildcat

53
天寿の全う。長短や濃淡などの優劣ではない。1人1人の存在の意義と意味。何時、如何に気づくか、あるいは気づかないままか・・・。故に、”他力”。無論、暗喩。弥七の葬儀で、懐の小石を投げた親鸞が印象的。弔いであり感謝、そして旅立ち。業を背負う人間の儚さ。父であり師でもある善鸞を健気に支える如信。向き合い、受け入れ、寄り添う姿勢を感じる。これも天命。2015/01/01

starbro

53
約6年の年月で全6巻読了しました。親鸞の聖人としての生き様を平易な文章で時にエンタメ的に書き切ったとと思います。ところで私が無神論者のせいもありますが、宗教は(必要)悪だと考えています。個々の僧や牧師らを見ると、素晴らしい人も多いですが、組織で権力を握るとどうしてこうも腐敗するのでしょうか?原始宗教~世界宗教~現在の新興宗教まで、常に弱い者達が搾取され騙されている気がしてならないのです。キリスト教とイスラム教は2,000年以上も対立していますし・・・2014/11/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8286305
  • ご注意事項

最近チェックした商品