講談社文芸文庫<br> 幽(かすか)/花腐(はなくた)し

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講談社文芸文庫
幽(かすか)/花腐(はなくた)し

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062903356
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

芥川賞を受賞した「花腐し」、同賞候補作の「幽」をはじめ、官能と死の気配がただよう幻想的な味わいの色濃い初期作品6篇を収録。中華街のバーで、二十年以上前に遇った女の幻影に翻弄される男の一夜を描く、事実上の初小説「シャンチーの宵」、芥川賞候補作「幽」、同受賞作「花腐し」ほか全6篇。知的かつ幻想的で、悲哀と官能を湛えた初期秀作群。社会から外れた男が生きる過去と現在を、類稀な魅力を放つ文体で生々しく再現し、小説の醍醐味が横溢する作品集。

無縁
ふるえる水滴の奏でるカデンツァ
シャンチーの宵
幽 かすか
ひたひたと
花腐し
著者から読者へ
解説  三浦雅士
年譜
著書目録


松浦 寿輝[マツウラ ヒサキ]
著・文・その他

内容説明

詩人として出発、批評でも活躍の後、四十を越え小説へ―。中華街のバーで、二十年以上前に遇った女の幻影に翻弄される男の一夜を描く、最初の本格的な小説「シャンチーの宵」、芥川賞を受賞した「花腐し」他、知的かつ幻想的で、悲哀と官能を湛えた初期の秀作全六篇を収める。社会から外れた男が生きる過去と今を、類稀な魅力を放つ文体で生々しく再現し、小説の醍醐味が横溢する作品集。

著者等紹介

松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954・3・18~。詩人、小説家、批評家。東京生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業、同大学院人文科学研究科フランス文学専攻博士課程中途退学。パリ第3大学博士学位取得。東京大学教養学部外国語科助教授等を経て、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻教授。2012年3月、退官。1988年『冬の本』で高見順賞、95年『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、96年『折口信夫論』で三島由紀夫賞、『平面論―一八八〇年代西欧』で渋沢・クローデル賞平山郁夫特別賞、99年『知の庭園』で芸術選奨文部大臣賞評論等部門、2000年「花腐し」で芥川賞、2005年『あやめ 鰈 ひかがみ』で木山捷平文学賞、『半島』で読売文学賞、2009年『吃水都市』で萩原朔太郎賞、2014年『afterward』で鮎川信夫賞、2015年『明治の表象空間』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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はるを@不定期低浮上中

49
🌟🌟🌟☆☆。全6編の短編集。映画『花腐し』鑑賞後に読了。映画と原作の違いを愉しみながら読み終えられたのでこの作品が一番良かった。『無縁』も良い。『ふるえる水滴の奏でるカデンツァ』も印象的。つまんなくはない。でも一番近い気持ちは「難しかった。」かな。主人公がクズ男やゲス男の話が多いんだけど、(気持ちは解る。笑。)なんだが高尚な文章を読んでいる気がするとは思った。水鏡に映った風景を見るような話。夢か現か。再読の必要あり。2023/12/22

メタボン

33
☆☆☆☆ 「花腐し」「ひたひたと」は既読なのでスルー。注目すべきは「幽(かすか)」。この淡いさ、朧さは尋常ではない。生きているのか、既にこの世のものではないのか、譲られた住まいは流体のように形を変えているのか、いずれも曖昧で、その幽けさを表現する文章が気持ちよくも凄まじい。そう、松浦寿輝の文章は、古文で言うまさしく「すさまじ」なのだ。「無縁」「ふるえる水滴の奏でるカデンツァ」「シャンチーの宵」も佳品。2020/11/25

空猫

24
【第123回芥川賞】『暗黙グリム童話』の「BB/PP」から。バブル後の平成の物語なのに、読んでいて昭和のそれも退廃したモノクロ映画のようだった。そして官能的。全ての物語に汗、湿気、水たまり、雨、といった水のモチーフがあった(『花腐し』とは花が腐る程続く雨の意)。それは何処にも根を下ろさないでゆらゆらと生きている彼らの暗喩だろうか。数行続く長い文章も。墜ちていくだけの男にそれでも見捨てず包み込む女。生活感、活力、そういったモノは一つもないのにひどく生々しい人間模様。そんな一冊。お気に入りは「無縁」2020/11/12

ちぇけら

21
午睡の後に女を抱き寄せて軀をそっくりと剥くと、女は魚になった。夜の空気には影が充満している。女からもれる高い声と痺れに似た疲れがおれを満たす。花の朽ちるにおいを襞の奥に嗅ぎつけて、ペニスは心臓のように脈をうった。おれはいつまで陰茎と女陰に縛りつけられて、翳りのなかを生きていくのだ。新宿という廃墟の安ホテルのスプリングが、いつまでも耳の奥で鳴っている。蝶の羽が燃えたような朝焼けで、暗闇に慣れた眼が眩む。おまえだけがおれを赦してくれた。ウイスキィで渇いた口を湿らせ、今日も死者の行進に混じって、生きていくのだ。2021/08/09

踊る猫

19
活字が頭に入らないコンディションでふと手に取ったのだけれど、スルスルと読めてしまうことに驚いた。あやふやな、なにを書いてあるのか良く分からない、それでいて読んでいることそれ自体が快楽であるかのような読後感……読みながらうっとりさせられてしまった。マッチョイズムとは無縁の情けない男たちと、妙にこちらを誘う官能的な女性たちが織り成すダメ人間のための小説集。吉田健一を読んでいるかのような気分になってしまった(過褒か?)。恐らくそう遠くない時期に私はこの本を読み返すだろう……内容をさっぱり忘れたのだから(失礼!)2017/01/25

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