出版社内容情報
昭和二十年、長崎の兵器工場学徒動員で被爆。
多くの死をくぐり抜け、少女は生き残った。
結婚、出産、幼い命を育てるのは恐怖との闘いであった。
二十数年後の離婚、それは個の崩壊であり八月九日の闇なのか。
八十を越えて書いた小説「再びルイへ。」は、著者の歩んだ人生への回答、あるいは到達でもある。
川端賞受賞作「三界の家」を含む、心うつ短篇小説集。
林 京子[ハヤシ キョウコ]
著・文・その他
内容説明
昭和二十年、長崎の兵器工場学徒動員で被爆。多くの死をくぐり抜け、少女は生き残った。結婚、出産、幼い命を育てるのは恐怖との闘いであった。二十数年後の離婚、それは個の崩壊であり八月九日の闇なのか。八十を越えて書いた小説「再びルイへ。」は、著者の歩んだ人生への回答、あるいは到達でもある。川端賞受賞作「三界の家」を含む、心うつ短篇小説集。
著者等紹介
林京子[ハヤシキョウコ]
1930・8・28~。小説家。長崎県生まれ。長崎高女卒。父の仕事先である上海で14歳まで暮す。1945年、帰国。三菱兵器大橋工場に動員され、勤務中に被爆、爆心地から1.4キロの地点だった。その体験をもとに書いた「祭りの場」で群像新人賞、芥川賞受賞。その後も鎮魂と祈りの作品を中心に執筆。著書に『上海』(女流文学賞)『三界の家』(川端賞)『やすらかに今はねむり給え』(谷崎賞)『長い時間をかけた人間の経験』(野間賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソングライン
15
学徒動員中の長崎で被爆した少女が物語の主人公となり、結婚、出産、息子の結婚、そして老いたいま、震災による原発事故を目にした心情が綴られていく短編集です。常に死を意識した日常生活、その悲しみと恐ろしさを共有できなかった夫との20年の結婚生活、そして壮年を迎え、父の納骨堂を母と訪れた時に交わされる静かな死生観。作者が83歳の時に発表された「再びルイへ」の中の、原発事故を繰り返してしまう人間の愚かさに対する作者の怒りと衰えない精神の崇高さが心に響きます。2019/11/19
gontoshi
1
林さんの自伝と言える本です。 林さんがどのように生きたかが伝わって来ます。2020/08/29