出版社内容情報
藤原定家選「小倉百人一首」を「凡作百首」と斬り捨てた現代短歌界の鬼才が、選歌をもって自説の正しさを証明した、名アンソロジー。「沖の石の讃岐以外は悉皆非代表歌、式子と定家とあと二、三人を除けば、他は一切凡作――」。定家の百人一首が「凡作」揃いだとの批判は多い。だがあえて定家と同じ人選で、まったく別の「百人一首」を編んだ強者はいない。本書は前衛歌人・豪腕アンソロジストが放つ、定家への挑戦状である。どちらが秀歌か。読者ひとりひとりの判断を待つ。
塚本 邦雄[ツカモト クニオ]
著・文・その他
内容説明
「沖の石の讃岐以外は悉皆非代表歌、式子と定家とあと二、三人を除けば、他は一切凡作―」定家の百人一首が「凡作」揃いだとの批判は多い。だがあえて定家と同じ人選で、まったく別の「百人一首」を編んだ強者はいない。本書は前衛歌人・豪腕アンソロジストが放つ、定家への挑戦状である。どちらが秀歌か。読者ひとりひとりの判断を待つ。
目次
朝倉や木の丸殿にわがをればなのりをしつつ行くはたが子ぞ―天智天皇
北山にたなびく雲の青雲の星離りゆき月を離りて―持統天皇
もののふの八十氏河の網代木にいさよふ波の行く方知らずも―柿本人麿
春の野に菫採みにと來しわれぞ野をなつかしみ一夜ねにける―山邊赤人
あひ見ねば戀ひこそまされ水無瀬川何に深めて思ひそめけむ―猿丸大夫
うらうらに照れる春日に雲雀あがりこころ悲しも獨し念へば―中納言家持
あまのはらふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも―安倍仲麿
樹の間より見ゆるは谷の螢かもいさりにあまの海へゆくかも―喜撰法師
はかなしやわが身のはてよ淺緑野邊にたなびく霞と思へば―小野小町
世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋もはてしなければ―蝉丸〔ほか〕
著者等紹介
塚本邦雄[ツカモトクニオ]
1920・8・7~2005・6・9。歌人、評論家、小説家。滋賀県生まれ。歌誌「日本歌人」(前川佐美雄主宰)に入会。1951年、『水葬物語』で歌壇に登場。60年、岡井隆、寺山修司等と「極」を創刊。85年、歌誌「玲瓏」主宰。反リアリズムの前衛短歌の雄として精力的に活動。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、『魔王』で現代短歌大賞を各々受賞。97年、勲四等旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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