出版社内容情報
思想界の巨人・鶴見俊輔が、戦後文学に屹立する埴谷雄高と傑作「死霊」に迫る評論、対論集。ふたつの「知」が交わり拡がる思考の宇宙戦後の日本思想界をリードしてきた鶴見俊輔が、戦後日本文学に屹立する埴谷雄高と「死霊」を半世紀にわたり論じた集大成。とりわけ1997年に埴谷が世を去って以降、自身の大患にもかかわらず埴谷論を精力的に執筆した評論群は、鶴見の晩年最大の仕事と評される。評論の他に、埴谷・鶴見・河合隼雄の鼎談、鶴見・高橋源一郎の対談などで、埴谷文学の深奥に迫る。
虚無主義の形成──埴谷雄高
埴谷雄高の政治観
座談会 未完の大作『死霊』は宇宙人へのメッセージ 埴谷雄高/鶴見俊輔/河合隼雄
手紙にならない手紙
『死霊』再読
晩年の埴谷雄高──観念の培養地
状況の内と外
世界文学の中の『死霊』
対談 『死霊』の新しさ 高橋源一郎/鶴見俊輔
大阪夏の陣
単行本解説 六文銭のゆくえ──埴谷雄高と鶴見俊輔 加藤典洋
文庫版解説 くねくねしたものは、死なない。──「六文銭のゆくえ」付記 加藤典洋
略年譜
鶴見 俊輔[ツルミ シュンスケ]
著・文・その他
内容説明
一九五九年の転向論「虚無主義の形成」から半世紀近く埴谷雄高を論じ続けた鶴見俊輔。両者の初対論が実現した河合隼雄を交えての鼎談では、深い相互理解と『死霊』についての躍動的な呼応が展開される。そして埴谷没後、自身の大患後にもかかわらず注力した埴谷論は、著者晩年最大の論考群を成す。文学界と思想界の巨人にして変革者。『死霊』を巡り、ふたつの知が交わり拡がる思考の宇宙。
目次
虚無主義の形成―埴谷雄高
埴谷雄高の政治観
座談会 未完の大作『死霊』は宇宙人へのメッセージ(埴谷雄高;鶴見俊輔;河合隼雄)
手紙にならない手紙
『死霊』再読
晩年の埴谷雄高―観念の培養地
状況の内と外
世界文学の中の『死霊』
対談 『死霊』の新しさ(高橋源一郎;鶴見俊輔)
著者等紹介
鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922・6・25~2015・7・20。哲学者。東京生まれ。15歳で渡米しハーバード大学で学ぶ。在米中にアナキスト容疑で逮捕されたが、留置所で論文を書き上げ卒業。交換船で帰国。戦後、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭を執る。70年、警官隊導入に反対して同志社大学教授を辞任。82年『戦時期日本の精神史』で大佛次郎賞、90年『夢野久作』で日本推理作家協会賞、94年朝日賞、2007年『鶴見俊輔書評集成』全3巻で毎日書評賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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