講談社文芸文庫<br> 谷崎潤一郎論

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講談社文芸文庫
谷崎潤一郎論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062902809
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

没後50年、今なお日本文学史上に輝き、読みつがれる谷崎潤一郎。その独創性の由来を追究し、谷崎文学の本質に迫る、挑戦的作家論。『細雪』の刊行、文化勲章受章とまさに谷崎評価の絶頂期、それまで雑誌や新聞の注文に応じて執筆していた著者が、初めて「僕の方から頼んで書かせてもらった」挑戦的評論。武田泰淳は「乱れが無さすぎるほどよく整理された論文」として、その手さばきを有能な外科医の手術に喩え、「病根を知る者の緊張が、彼を徹底的にする」と絶賛した。読み物としても面白い独創的年譜に、補遺を加えた決定版。

第一部 ──神童・異端者の悲しみ──
第二部 ──捨てられる迄・饒太郎──
第三部 ──痴人の愛・春琴抄──
谷崎潤一郎年譜
解説  千葉俊二


中村 光夫[ナカムラ ミツオ]
著・文・その他

内容説明

『細雪』の刊行、文化勲章受章とまさに谷崎評価の絶頂期、それまで雑誌や新聞の注文に応じて執筆していた著者が、初めて「僕の方から頼んで書かせてもらった」挑戦的評論。読み物としても面白い独創的年譜に、補遺を加えた決定版。

目次

第1部 神童・異端者の悲しみ
第2部 捨てられる迄・饒太郎
第3部 痴人の愛・春琴抄

著者等紹介

中村光夫[ナカムラミツオ]
1911・2・5~1988・7・12。評論家。東京生れ。1931年東大法学部入学、のち仏文科へ。在学中「文学界」に「モウパッサン論」「文芸時評」等掲載。同誌連載の「二葉亭四迷論」で文学界賞、『二葉亭論』で第1回池谷信三郎賞。38年仏政府招聘留学生となりパリ大学に入学。第二次世界大戦のため帰国。「批評」に参加。戦後は明治大学で教鞭をとる。50年『風俗小説論』刊。翌年広津和郎と「異邦人」論争を展開。三島由紀夫等と「声」創刊。『二葉亭四迷伝』で読売文学賞受賞。他に『パリ繁昌記』(岸田演劇賞)『汽笛一声』(読売文学賞)。芸術院会員、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

18
谷崎存命中に書かれた「挑発の書」。です・ます調による丁寧な論理展開が特徴的で、詳細なのに決して難解ではない。成熟を知らない幼児性、思想家としての浅はかさ、芸術家としての自分に対する驚くべき過信が作品の特異性につながること。人間的には明らかに欠点と捉えられるべき要素を芸術家ととしての美点に逆転できる谷崎の図太さがよくわかる。ただ、そうしたある種の楽天性だけではなく、表現したいことと持って生まれた資質が一致しないことの苦闘についても指摘している。多角的に作家を描き得ているところが、本書の大いなる美質だろう。2017/06/30

いろは

16
「これは、谷崎純一郎への恋文ではなく、挑発の書なのだ。」と意識しながら読まなければいけない程、著者に染められそうになる作品だった。それは、著者の無駄も隙もない文章の他に、谷崎本人の思考や言葉も描かれていたからだろう。この作品を一つの視点であり、考察であるという意識が薄れて、さらには染められてしまう。だから、何度も思い治す。これは、私が最も愛する作家への、挑発の書だ。しかし、谷崎文学の柱である性癖の考察が女性崇拝の他にあまり触れられていない所は、そこが、谷崎の思想の聖域であり、天才と言われる所以なのだろう。2017/04/26

しゅん

9
再読。読み返すと、中村の批判が「谷崎も私小説の作家だ」という点に帰結していることに気づく。青春的智性の欠如、幼児性の完徹の指摘に関しては、おそらく中立的立場だ。幼児性の発揮が、谷崎が理想とする強度な構造としての「大衆的で面白い」小説ではなく、作家の奇形性を読者が前提とする「私小説」の狭いコンテクストを要求していることを中村は問題にしているのではないだろうか。とはいえ、中村の論理は『風俗小説論』にこそ表れているようで、そちらを確かめないと踏み込めない。小説論としては、登場人物の性格分析論の色が強い。2021/06/26

ミスター

2
ちょうど読んでいた坪内祐三の本でも触れられていた谷崎に関する「古典的な」批評である。古典的なとあえて鉤括弧に括ったのはこの本が谷崎の世間的な印象を作りそのまま影響力を保持しているからである。まあ中村光夫の言いたいことが事実だったとしても谷崎は面白いのでそんなに否定しなくてもという気持ちになる2020/02/11

コノヒト

2
「精神的な幼稚さ」と「智的青春の欠落」が谷崎作品の特性だと指摘する。その特性にこそ惹かれて私なぞは谷崎潤一郎を読むのだし、「無邪気」だとか「おおらかさ」と言い替えたら谷崎が長年月を現役の作家でいられた要因になるのではないかと考えた。本筋とは関係ない部分でひとつ。『痴人の愛』に描かれるハイカラな大正風俗について、昭和二十五年の著者は、「今日では滑稽なほど古びて色あせ」ていると言うのだけれど、その同じ場面を読む平成の読者である私なぞは「懐古調・レトロ趣味」と言って有難がっているのだから面白い。2016/02/19

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